アルビレックス新潟はモンテディオ山形に1-2で逆転負けした。3試合連続未勝利に終わり、今季6敗目(14勝9分け)を喫した。前半10分、谷口海斗(26)がMF高木善朗(28)の右クロスをボレーで決めて先制。だが同35分に同点を許すと、後半15分に山形に勝ち越しゴールを決められた。今季ここまで先制点を奪った試合は12勝3分けと無敗だったが、ホームで白星を挙げることはできなかった。順位は3位のままも、町田、琉球と勝ち点51で並び、J1昇格圏2位との勝ち点差は10に広がった。

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勝てない。新潟は谷口が前半10分に先制点を決めたが、同35分に追いつかれると、後半15分に試合をひっくり返された。スコアレスドローで終わった前節4日の北九州戦後から1週間。チームは攻撃に重点をおいて準備を進め、3試合ぶりの得点で優位に立った。だが相手の「個」を生かした激しい攻撃を受け止めきれなかった。ここ3試合は1分け2敗。ホームで痛い敗戦となった。

攻撃を売りにする両チームの対戦は攻守が激しく入れ替わるスリリングな一戦となった。立ち上がりにペースをつかんだのは新潟。谷口のポストプレーを起点に、両翼のロメロと本間がドリブル突破からチャンスをうかがう。山形も3トップ気味の布陣を取り、ピッチを広く使い攻撃を仕掛ける。1-1で折り返した後半も両チームが長所を出し、シュートを打ち合ったが、勝ち越したのは山形だった。

各自がテーマを持って試合に臨んでいた。1トップの谷口は前日10日、「パスをつなぐ部分とシンプルにクロスを上げる部分を使い分けて要求したい」と話し、ロメロは「パスだけでなくシュートを意識しないと。積極的にエリア内に進入したい」と相手ゴール前に人数をかけることを意識した。狙い通りの先制点。ただ90分間で挙げた得点はこの1点のみ。試合終了後、物足りない展開にホームのサポーターからの拍手もまばらだった。

第26節相模原戦(8月22日、2-1)以降、勝利がない。パスを回して主導権を握るスタイル、球際でのアグレッシブな姿勢は貫いた。いい試合を見せても、勝たなければJ1再昇格には届かない。昇格圏2位との勝ち点差は10に広がった。リーグ戦残り13試合。チームの真価が問われる。【小林忠】