第4シードの日大三島は6-0で伊豆中央との「東部勢対決」を制した。前半はDF嶋津徹朗(3年)のPKなど、セットプレーから3得点。後半も2点を追加し、無失点でしのいだ。今大会初戦を完封勝利で飾り、主将のMF大川真生(まさき、3年)は「いい内容だったと思う」と声を弾ませた。

チームの武器がさえ渡った。Aチームを指導する石川史也コーチ(32)は「今日は地道にやってきた練習の成果が出た」と振り返った。1-0で迎えた前半30分、右CKからDF下田空良(そら、3年)がヘディングで追加点。同32分にPKを決めると、三たびセットプレーでリードを広げた。同ロスタイムに左CKから、MF佐々木恭丞(きょうすけ、2年)が頭で追加点。強化してきたフィジカル面を前面に出した戦いで、相手を圧倒した。

「仲間」の活躍も刺激になった。同校の野球部は今秋の県大会で38年ぶりに優勝した。嶋津は「僕らも負けてられないと思った」。昨年は16強入りを懸けた1次トーナメント4回戦で、準優勝した東海大静岡翔洋に2-6で大敗。大川主将は「今年は必ず勝って勢いをつけたい」と次戦に目を向けた。【神谷亮磨】

◆静岡県高校サッカー界の東部勢 選手権と総体で東部勢が全国大会に出場したことは1度もない。今大会のシード全20校中、東部勢は日大三島、飛龍、富士市立のわずか3校。有望な選手が中部の強豪校に進学することも大きく影響している。元日本代表の沢登正朗氏(51=富士宮市出身、東海大一高出)や川口能活氏(46=富士市出身、清水商高出)、小野伸二(42=沼津市出身、清水商高出)らも東部出身だ。一昨年の県選手権で富士市立が東部勢として初めて決勝に進んだが、静岡学園に敗れた(1●6)。全国大会出場は東部勢の悲願になっている。