30日のルヴァン杯決勝は、初優勝を狙う名古屋グランパスと4年ぶり2度目の制覇を目指すセレッソ大阪が対決する。27日の天皇杯準々決勝でも同じ顔合わせとなり、C大阪が3-0と完勝。わずか中2日で今度はタイトルを懸けた大一番になる。両軍は29日、会場の埼玉で公式練習と会見を実施した。

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名古屋FW柿谷曜一朗(31)が、古巣撃破でタイトルをもたらす。C大阪との決勝の前日会見に出席。4年前、主将としてC大阪に初タイトルをもたらしたが、今度は敵として臨む。「対戦が決まってからワクワクしている。決勝で戦えるのはうれしい。楽しみな試合です」と表情を変えずに言った。

17年、柿谷はC大阪の主将としてクラブ初のタイトルに導いた。優勝を決めた後、背番号「8」のユニホームの下に仕込んでいたのが「20」。当時のチーム最古参DF酒本憲幸(現J3鹿児島)の番号だった。チームはターンオーバー制でリーグ戦とカップ戦でメンバーを入れ替え、貢献してきた選手が決勝のベンチに入れない。柿谷はその思いを二重のユニホームにこめた。

以来の決勝。「個人の思いではなく、名古屋の選手としてタイトルをとりにいきたい」と言った。複雑な熱い思いを秘め、決勝のピッチに立つ。【実藤健一】

◆ルヴァン杯決勝 90分間で勝敗が決まらない場合、30分間の延長戦を行う。それでも決しない場合はPK戦に突入。優勝は賞金1億5000万円、Jリーグ杯(チェアマン杯)、準優勝は賞金5000万円など。