いわきFCが鈴鹿ポイントゲッターズを4-1で下し引き分けを挟んで5連勝。勝ち点を68に伸ばし、JFL初優勝を決めた。2位ホンダFCが次節の最終節に勝っても勝ち点で及ばないため、最終節を待たずに優勝が決まった。昨季のJFL初参入の7位から大きく躍進。わずか2年目で優勝を果たし、25日に正式決定していたJ3昇格に花を添えた。

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試合終了の瞬間、選手は抱き合って喜び、福島から駆けつけた多くのサポーターに向かって拳を突き上げ、田村雄三監督の体が4度敵地で宙に舞った。

前半21分、PKのこぼれ球に反応したMF岩渕弘人がゴール右へ流し込み先制。同26分に鈴鹿にPKを決められ同点とされるも、同40分、PKをゴール中央に岩渕が冷静に決め、この日2点目のゴールで2-1と勝ち越し。同43分には左からのクロスに中央から走り込んだFW鈴木翔太が3点目。後半アディショナルタイムには途中出場の吉沢柊がヘッドで4点目を挙げ、勝負を決めた。

3点目の鈴木は、「自分はJFLで6年目になりましたが、いわきFCに来て、優勝して昇格ができて本当にうれしい」と歓喜の表情を浮かべ、リーグ戦全31試合フル出場のMF山下優人は「自分たちの優勝をつかみ取れるというのがあったので結果を出せて良かった」と振り返った。

いわきFCは、16年福島県社会人2部、17年同1部、18年東北社会人2部(南リーグ)、19年は同1部で優勝、さらに全国地域CLも制してJFLに参入した。4年連続でステップアップを果たしてきたが、昨季は、最終節に勝てばJ3昇格という大一番に敗れ、7位に終わった。今シーズンはその悔しさをバネにシーズン中も週3日ほど筋力強化を行い“90分間止まらない、倒れない”体をつくり、常に“ゴールを奪う、ボールを奪う”サッカーを追求してきた。

今季限りで監督を勇退する田村監督は「いわきから本当に多くのサポーターが駆けつけてくれてホームのような雰囲気で試合ができたことに感謝しています。前から奪うチームのストロングポイントが出せて良かった」と振り返り、「あらためて全てのみなさんにおめでとうと言いたい」と語った。12月5日、最終節ホームFC大阪戦に勝ち、地元のサポーターとともに笑顔で“躍進”のシーズンを締めくくる。