元日本代表の秋田豊監督(51)率いるいわてグルージャ盛岡がアスルクラロ沼津と引き分け、リーグ2位でクラブ史上初のJ2昇格を決めた。

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秋田監督は試合後「震災から10年でもあった。価値のある昇格。非常にうれしかった」と笑顔で話した。

引き分け以上で昇格が確定、勝てばJ3優勝が決まる一戦。指揮官は「優勝を狙いにいっていた」と勝利を求め、後半15分に待望の先制点を決めた。右からのFKでゴール前でこぼれ球になったところをDF牟田雄祐が右足で押し込んだ。

しかし同20分に追いつかれると、そこからは防戦に。同41分にはペナルティーエリア内からシュートを浴びるピンチもあったが、DF陣が体を投げ出してコースを消した。

最後までこのままスコアは動かず。熊本が岐阜に勝利したことで勝ち点で上回られ優勝は逃したものの、来季は新たなステージで戦うことが決まった。

秋田監督は「トップに立っても引き分けたり負けたりと、メンタルの不安定さがあった。我慢するところはしながら、前に踏み込んでパンチを繰り出せるようになった」と、選手の成長を実感した。

監督に就任して2年目でチームを初のJ2に導いた。昨季は11位と苦しみ「自分が(監督を)やっていていいのかと思った時期もある」と素直な心境を語りつつ「つらいトレーニングをやってきた。選手が一生懸命前向きに戦ってくれた」とたたえた。