帝京長岡は神村学園(鹿児島)に3ー2で競り勝ち、3回戦進出を決めた。0ー0の前半16分、FW渡辺祐人(3年)が技ありボレーを決めて勢いづくと、同32分にも追加点を奪った。後半4分に左CKから1点を返されたが、同18分にMF三宅凌太郎(3年)のゴールで突き放した。同じホテル、練習会場で調整したライバルを退け、次戦2日、桐光学園(神奈川)と対戦する。

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かくれんぼ好きのストライカーが、勝利を引き寄せた。0-0の前半16分、渡辺はMF佐々木奈琉(3年)の右からのロングスローをゴール前で待ち構えると、相手DFに背中を預けながら体をひねって右足ダイレクトボレーでネットを揺らした。「練習していた形。狙い通り」。同32分にも好連係から冷静に2点目をゲットし「1点決めたことで落ち着けた。勝利につながってうれしい」と笑顔をみせた。4強入りした前回大会はベンチ外だったが、初の「全国のピッチ」で躍動した。

おちゃめなムードメーカーだ。コロナ禍のため、宿泊先のホテルからは外出禁止。そのため、空いた時間はチームメートの部屋を行き来し、かくれんぼを楽しむ。「3年にバカが多いので。自分はピッチ外ではあまりサッカーのことは考えない」。対戦相手の神村学園とは宿泊ホテルと練習会場が一緒という偶然が重なったが、特別な意識もなし。試合前には「相手のことはよく分からない。自分たちのサッカーをやるだけ」とマイペースを崩さなかった。

バスケットボールの大ファンでもある。憧れはサッカー選手ではなく、NBAレーカーズのレブロン・ジェームズ。「大事な場面で得点を取って試合を決めるところが、カッコイイ」という。選手権県大会の準決勝、決勝とプレミアリーグ参入戦に続く公式戦4戦連続ゴール。憧れの大スターのプレー同様に大事な局面でゴールを決め続けるエースは「得点王を狙っている。次は今日の2点を超えたい」と話した。2日の3回戦は桐光学園と対戦する。2大会連続で準決勝で涙をのむ。「目標の日本一に向けて、絶対に勝ちたい」と意気込んだ。【小林忠】

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