“初代女王”聖和学園が、30年連続30回目の全日本高校女子サッカー選手権に臨む。同校は第1回大会から毎年出場を続ける古豪。だが、優勝は01年の第10回大会から遠のいている。20年ぶりの頂点へ。初戦は今日3日、今夏の女王・神村学園(鹿児島)と対戦する。新旧女王対決を制し、女王の座を奪還する。
今夏女王との初戦に緊張はない。MF柳原希帆(3年)は「緊張感はないですね。(選手権が)楽しみです」とほほ笑んだ。選手権を待ち望むメンタルは、新チーム始動から新人戦、インターハイ予選と敗戦が続く中で取り入れたメンタルトレーニングの成果だ。柳原は「何事も前向きに捉えるようになって、みんながサッカーを楽しむようになって、選手権の県予選を優勝することができました」。全国最多タイ、選手権5度の優勝を誇る強豪・常盤木学園(宮城)を2-1で下して優勝。“楽しむ力”が勝利を呼び寄せた。
今年の聖和学園はひと味違う。今年はメンタルトレーニングに加えて、外部コーチの指導によるドリブルでの突破や中央の崩しに特化した練習を取り入れ、チーム間での話し合いも増やした。FW櫨川結菜主将(3年)は「団結力が出たと思います。意見を言い合うことで共通認識、みんなのやりたいことがまとまりました」。ニッパツ横浜FCシーガルズへの加入が決まっているMF桜井まどか(3年)は「選手権に向けて1人1人が課題を見つけて改善していったり、チームでも勝つために何が必要かを全員で話し合ったり、勝ちに向かっていく姿勢があって雰囲気がとても良いです」と、今までと違うチームを実感している。伝統のパスサッカーに加え、新たな攻撃のバリエーション、高いチーム力を備えた“新生”聖和学園を見せる準備はできている。
目標は全国制覇ただひとつ。3人は口をそろえて「全国制覇ができるチーム」と口にした。初戦の相手が神村学園であることに曽山加奈子監督(34)は、「むしろラッキーです。普通だったら勝ち進まないと戦えない相手。初戦で強い相手とできるということはなかなかない。今までやってきたことがどこまで通用するのか、一気に良い相手で見られるというのは楽しみです」。選手とともに選手権を心待ちにしている。
古豪から“新生”へ。「美しく、しなやかに」を掲げ、今まで積み上げてきた技術と新たなオリジナルで、日本一に返り咲く。【濱本神威】



