川崎フロンターレに加入が内定した桐蔭横浜大のGK早坂勇希(22)が13日、横浜市内の同大学で会見を行った。川崎Fの下部組織出身で、念願のトップチームの加入に「一度、あきらめかけた夢でしたが、大学4年間で努力し続けた結果、戻れたことをうれしく思います。GKの層は厚いですが、自分はハードルが高いほど燃えるタイプ。謙虚な気持ちを忘れず、1日1日を大事に頑張っていきたい」と抱負を語った。

ユースからトップ昇格はできなかった。今でこそMF脇坂泰斗(26)、MF三笘薫(24=現サンジロワーズ)ら、下部組織から大学経由で川崎Fに戻っているが、当時は大学経由の前例がなかった。それだけに「お先が真っ暗だった。精神的にも悔しい部分が多くあって。そこが一番、サッカー人生でつらかった時期だった」と振り返る。

大学入学直後は、出場機会をつかむことができなかった。だが、「4年後にフロンターレに戻る」という思いを貫き、試合に出場しなくても、全力で雑用などチームのサポートに徹した。安武亨監督は「出られないときの立ち居振る舞いを含め、ひたむきに戦い続けてきた。出られないながらもプレー以外で信頼を勝ちとった」と人間性を高く評価する。

2年生から守護神としてインカレ準優勝に貢献。シュートストップと反応、足元の技術が持ち味で、昨年のデンソー杯では、優秀選手に選ばれ、夢をつかんだ。脇坂、三笘に続き、大学経由でトップチームに加入が決まり「希望を与えてくれた選手と一緒にプレーできるのはうれしいこと。そういう希望があったから、今、川崎Fのユース出身が3人いるが、頑張ってもらいたい」と話す。

桐蔭横浜大からは、DFイサカ・ゼイン(今季は横浜FCへ期限付き移籍)、MF橘田健人(23)に続き3年連続での川崎F加入となった。20年に加入した日本代表DF山根視来(28)も桐蔭横浜大出身だ。昨年のJリーグ加入会見では、早坂はメディアの受付をし、橘田の加入会見を見ていた。今年は自らが主役。早坂は「後輩が1人でも多く、プロになってJの舞台で一緒にサッカーがしたい」と後輩とのプロでの再会を心待ちにしている。