開幕戦で、クラブJ1通算100勝目を飾る。北海道コンサドーレ札幌は19日、敵地で清水エスパルスとの開幕ゲームを迎える。チームは18日、2次キャンプ地の熊本から前日入りしていた静岡市内で調整を行った。静かに選手たちを見守った就任5年目のペトロビッチ監督(64)はこの日、「全力」という言葉を3度繰り返した。目指すのは、2年連続の白星スタートだ。

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クラブにとって節目の勝利は、普段数字をあまり意識しないペトロビッチ監督の頭にもあった。「大台に乗せるということを、できるだけ早く実現したい。明日それが実現できるように、全力を尽くしたいと思う。そしてその後の歴史も積み上げていきたい」と和らいだ表情で話した。

監督自身J1で通算217勝を挙げている。広島時代に62勝、浦和時代に103勝を記録。札幌では昨季までの4年間で52勝を積み上げた。「1年1年積み重ねてきたことを、チームとしてやってきたことを、今年も積み上げていきたい。いいゲームをしながら、勝利につなげていくというところを全員で取り組んでいきたい」と、継続をテーマにシーズンに挑む。

例年以上にチームへの期待は大きい。昨季まで在籍していたタイ代表のMFチャナティップ(28)が川崎Fへ完全移籍したが、新たな戦力は充実している。「興梠慎三あるいはシャビエル、この2人はチームの戦術をよく理解してプレーしてくれている。その抜けた影響というのを十分に埋めるに値するプレーをこれまで見せてくれている」と攻撃の要となる新加入組を評価する。

就任5年目。浦和の指揮官5年目(16年)はリーグ2位で、興梠がチームトップの14得点を挙げている。札幌では1年目の18年にクラブ最高の4位も、その後は2桁順位が続く。ミシャサッカーが浸透してきた今季こそ、真価が問われる。開幕戦へ「全力を尽くしてこれまでやってきたことを出していくだけ。とにかくチームとして全力で戦いたい」。22年シーズンを最高の形でスタートさせる。【山崎純一】