元日本代表で06年ワールドカップ(W杯)ドイツ大会に出場したFW巻誠一郎氏(41)が2日、日刊スポーツの取材に答え、千葉(当時市原)時代からの恩師である元日本代表監督のイビチャ・オシム氏の死去をしのんだ。
1日、千葉の選手会のグループラインで訃報を知った。「僕はオシムさんから強い影響を受けて、今の自分がある。たくさん学んできたものを、しっかりこれからの未来のある子供たちへ残していけるよう、僕自身も頑張りますと伝えたい。体調が大変な中で頑張って来られたので、ゆっくり休んでください」と悼んだ。
巻氏は、03年に入団した千葉で才能が開花した。元ユーゴスラビア代表監督のオシム監督に素質を見いだされ、在籍7年で2桁得点が3度と活躍した。06年W杯の日本代表では「サプライズ選出」で有名になった。
千葉当時、オシム監督から「僕は他の人にはなれないけど、巻には巻の良さがある」という言葉をかけられ、人生の信念にしてきた。「僕のスタイルは泥臭く誰かのために走り続けること。そういうものに対して、信念を持たせてくれた監督でした」といい、体現している。
14年から在籍したJ2熊本では、16年4月に最大震度7の熊本地震に遭遇。直後のオシム氏からの激励メッセージに力をもらい、復興支援へ尽力した。「力強く前に進まないといけない」と奮い立ち、震災直後から率先して支援物資を被災地に届けるなど地元を勇気づけた。
18年限りで現役引退。オシム氏の教えを生かして、今も復興支援、慈善事業などさまざまな社会貢献活動で懸命に走り続けている。【菊川光一】
◆オシムチルドレン オシム氏がJ1千葉や日本代表の監督を務めたときに重用した選手。06年に日本代表監督に就任すると、千葉で主力だったMF阿部、FW巻の他にもMF羽生らを代表に初選出。さらに当時浦和のMF鈴木、DF闘莉王らも薫陶を受けた。10年に名古屋のストイコビッチ監督がJ1を制すると、「ピクシー(ストイコビッチ)はかつての教え子。自分のことのようにうれしく思う。日本代表監督時代に(チームに)呼んだ闘莉王、楢崎、三都主ら選手たちにも、おめでとうと申し上げる」とコメントしていた。



