昨季限りで国内トップリーグの担当審判員を勇退した家本政明氏(48)が、この試合の終盤に起きたアクシデントに、自身のツイッターで見解を述べた。

「キム・ジンヒョン選手の交代について。危険な接触によって彼は肩と頭を地面に強打しました(映像あり)。チームドクターは脳振とうのチェックをしっかりされています(映像あり)。そして脳振とう判断は主審ではなくチームドクターです。脳振とうは本当に危険で、ぱっと見では分からないことが多いです」

2-1のリードで迎えた後半43分、セレッソ大阪の元韓国代表GKキム・ジンヒョン(34)にアクシデントが起きた。

ゴール前のハイボールを巡って、ジュビロ磐田のFW大津と激しく接触し、左肩と頭からピッチに落下した。大津にはラフプレーで警告が出された。

相当な衝撃があったとみられるキム・ジンヒョンは苦悶(くもん)の表情でうずくまり、試合が一時中断。約5分後に同選手のゴールキックで再開されたものの、蹴った直後に再び倒れ込み、同51分に無念の交代となった。

既に5人枠の交代を使い切っていたC大阪だったが、「脳振とうの疑い」による別枠の交代が認められた。

この交代で、J1連続試合フルタイム出場(歴代3位)を続けていたキム・ジンヒョンの記録が、181試合で止まってしまった。

一部のSNS上では試合後、キム・ジンヒョンに対して遅延行為などといった批判もあり、家本氏が「脳振とうは本当に危険」などと客観的に意見を述べたとみられる。

C大阪の主将MF清武弘嗣(32)も、自身のツイッターで「家本さんありがとうございます。ジンヒョンはロッカーでもずっと頭が痛いと言ってました。いろいろという方もいると思いますが、肩も負傷していますし、脳振とうもあります」と説明。

C大阪の関係者は試合直後、キム・ジンヒョンは病院に行っていないと説明していたが、清武は深夜に再び異例の投稿をした。

「ジンヒョンは試合後すぐに病院に行きました。僕から言えるのはここまでです。何かある方はご自由に書いてもらっても構いませんが、もう僕からいう事はありません」

試合は当初、ロスタイム5分と表示された。それでも中断時間が長く、計約102分間に及ぶ激闘の末、C大阪が今季ホーム初勝利を挙げた。