新型コロナウイルスの陽性者を多数出したアビスパ福岡が、ハンディを乗り越えて、スター軍団のヴィッセル神戸から値千金の先勝を飾った。

これでベスト4進出に王手だ。

戦力面で圧倒的不利が予想された福岡は前半44分、GK村上のロングキックからFWファンマが競り、最後はFWジョン・マリが豪快に右足を振り抜いた。これが先制点になった。

後半13分にはFKから始まり、最後はFWルキアンが技ありの1発。貴重な追加点となった。敵地で2-1の完勝劇だ。

福岡は前日2日に選手、スタッフら計9人が陽性判定を受けたことを発表。この2週間で計22人が離脱するコロナ禍に見舞われ、この試合はサブメンバーが最大7人ではなく、わずか4人に。うちGKが2人、フィールド選手が2人という異常事態となった。

先発にはJ1出場経験のない20歳のMF森山(今季ルヴァン杯5試合目)、今季のJ1出場がない32歳のDF輪湖(同6試合目)らが並んだ。

ただ前線には外国籍選手3人を配置し、守備一辺倒ではなく、前半から好機を何度か演出。勇敢な戦いぶりに福岡の応援席から大きな拍手も送られた。

一方の神戸は、J1残留を懸けた週末6日のセレッソ大阪戦が控えるため、この日の先発は控え中心。ベンチにはMFイニエスタ、山口、FW大迫ら豪華な顔ぶれが並んだ。

だが、2点差をつけられた後半25分までに、イニエスタら5人の交代枠をすべて使い切り、主力温存はできなかった。しかも追い上げのゴールも遠く、後半ロスタイムにようやく大迫がゴール。そこまでだった。

福岡はその後半25分に初めて交代枠を使い、DF前嶋を投入。同31分にはMFクルークスを入れ、ベンチにはGK2人のサブ選手しかいなくなった。

迎えた後半ロスタイム、福岡はGK山ノ井が、185センチの長身を生かしてフィールド選手のユニホームでFWの位置で出場した。これが3人目の交代。前線でプレスをかけて守備に貢献した。総力戦の末、堂々の勝利を挙げた。第2戦は10日にホームで行う。