女子サッカーのなでしこリーグ2部、ノルディーア北海道の新監督に元Jリーガーの米山隆一氏(53)が1日、就任した。

現役時代はFW三浦知良(55=ポルトガル2部オリベイレンセ)、ラモス瑠偉氏(65)らと、黄金期のヴェルディ川崎でプレー。指導者では日テレ・ベレーザのヘッドコーチとして澤穂希氏(44)らと皇后杯を制した手腕で、チームを昇格に導く。

WEリーグを頂点とする女子カテゴリーの3部に相当するリーグで、今季9シーズン目を迎えるノルディーアに、新指揮官が“読売魂”を注入する。「カズさん、ラモスさん、そして同期のキーちゃん(北澤豪氏=54)がプレーしていたころの、技術を生かした読売クラブのサッカーが好きですね」と理想のサッカーを口にする。

下部チームの読売ジュニオールから読売ヴェルディ(のちのV川崎)に昇格した日、先輩の都並敏史氏(61=ブリオベッカ浦安監督)と故・藤川孝幸氏(享年56)に、焼き肉をごちそうになった。帰り際に藤川氏から「(食事代やチームで学んだことを)次世代の選手に返しなさい」と言われたことを今もおぼえている。

ベレーザでのコーチ時代には、のちのバロンドール選手・澤氏と、意見を交わしたこともある。「ノルディーアにも体格が良く、運動能力の高い選手はいます。もちろん澤選手の技術は抜群でしたが、少しでも近づけることができたら」と意欲的だ。

10チーム中7位だった昨季のノルディーアの試合はビデオで確認したが、この日までに6人の新加入選手が発表されており「これから選手の特徴を見極めていきます。土台作りから始めたい」。リーグ戦の開幕は4月。新指揮官の下で、北の女神軍団が、飛躍の時を迎える。【中島洋尚】

◆米山隆一(よねやま・りゅういち)1969年(昭44)2月18日、東京都生まれ。東京調布緑ケ丘小1年時に、読売クラブのサッカースクールで競技を始める。ポジションは、読売ジュニアユース、読売ユースがFW。読売ジュニオール、読売SC、ヴェルディ川崎ではボランチもしくはセンターバック。JFL鳥栖フューチャーズを経て、同サガン鳥栖で98年に引退。指導経験は日テレ・ベレーザHC、九州共立大監督、追手門学院大監督など。