横浜F・マリノスは7日、横須賀市内の練習場で約1時間半のトレーニングを行った。昨季ベストイレブンに選ばれた守護神GK高丘陽平(26)が、米国MLSのバンクーバー・ホワイトキャップスへ移籍が決定的。交渉のためすでにチームを離れている。開幕直前での守護神の離脱にケビン・マスカット監督は「タイミングは残念だった」と本音も吐露した。

GKはシュートストップにとどまらず、攻撃の組み立てにも広く関わる重要なポジション。1番手がいなくなり、GKは昨季ルヴァン杯などで出番があったオビ・パウエルオビンナ(25)、鹿児島へのレンタルから復帰したGK白坂楓馬(26)、21年に加入した田川知樹(20)の3人となっている。

パウエルオビンナは東京五輪世代で、世代別代表の選出経験もある。昨季リーグでは出番がなく、チームの優勝もベンチで見届けた。「うれしかったが、それ以上に悔しかった」と、今季にかける思いは強い。193センチと上背も生かしたシュートストップに加え、高丘がこなした攻撃参加の技術や判断が求められる。

レンタルバックの白坂も期待される存在。「マリノスのGKは守備だけじゃない。求められているものに早く対応したい」と意欲を語り「試合に使ってもらえたら、勝たせるイメージはしている」と頼もしく語った。

フィールドと異なり序列の変化がなかなかないポジションだけに、11日の富士フイルムスーパー杯や17日の川崎フロンターレとのJ1開幕戦でスタメンの座をつかむのが誰になるかも注目される。チームを支えた高丘の穴を埋める存在としてゴールマウスに立つため、3人が切磋琢磨(せっさたくま)している。