コンサドーレ札幌はアウェーでサンフレッチェ広島との開幕戦を0-0で引き分けた。ドロー発進は2年連続で、開幕戦無失点はJ1では12年磐田戦(0-0)以来11年ぶり。3年連続開幕スタメンのGK菅野孝憲(38)が好セーブを連発し、敵地で貴重な勝ち点1を手にした。

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背番号1が札幌のゴールを守り切った。プロ21年目のシーズンとなった菅野が、広島の猛攻をしのいだ。前半は防戦一方の展開だったが、失点しなかった。「勝ちたかった試合ですが、最低限アウェーで勝ち点1はポジティブに捉えられる」と振り返った。ペトロビッチ監督(65)からは試合後の会見で「広島が内容的にもチャンスの数でも、我々を上回ったが、ただ我々のGK菅野が2回、3回、相手の決定機を素晴らしいセーブで止めてくれた」と最大級の賛辞を送られた。

最大のビッグセーブは後半29分、左CKからの広島MF川村のヘディングシュートを、ゴールギリギリではじいた。VARによる確認中も「自分では確信があったので」と冷静に待つと、ノーゴール判定。DAZNの実況が「ここも菅野、また菅野」と何度も叫ぶ好守で、チームを鼓舞した。

今季は3季ぶりに元正GKク・ソンユンがチームに復帰。競争の末、先発の座を手にした。赤池GKコーチは「経験とチームを統率する力、ビルドアップ(攻撃の組み立て)に秀でている」と信頼する。「引退した後いくらでも楽はできる」とストイックな姿勢を貫く38歳は、GK陣のお手本的存在だ。

仕上がりに不安があったチームを、ベテランがもり立てた。キャンプではチームの状態が上がらず、実戦未勝利で開幕を迎えた。「なかなかうまくいかない時間が多かった」。それでも、開幕戦で昨季のリーグ戦3位の相手に引き分けに持ち込んだ。「この試合がターニングポイントになればいいなって気持ちでみんなが臨めた試合」。25日のホーム開幕戦へチームが前向きな意識に転じるきっかけになりそうだ。【保坂果那】

○…新戦力3選手が札幌デビューを果たした。古巣相手となったMF浅野が先発起用され、神戸から加入のMF小林は後半開始から出場。後半43分にはJ2東京Vから移籍したDF馬場が投入された。馬場にとってJ1初出場。「お客さんの前で出場することができて率直にうれしかった。ここから始まるなと感じます。スタジアムの規模とか人の数とか、雰囲気は違うと感じた」とうれしそうに話した。

▽自身J1初の開幕スタメンとしてフル出場したDF岡村 気温が低くて(10・1度)、試合前ブルブル震えていたのが、これが緊張なのか寒さのせいかわからなかったが、最初緊張したが徐々に試合に慣れた。個人的には満足した開幕戦になった。

▽先発した主将MF宮沢 自分たちが目指しているサッカーはしっかりつないでいくこと。ちょっと大味なプレーになってしまった反省はある。セットプレーを与えてしまうことが多く、粘り強く守れたが、スゲさん(GK菅野)に助けられた。

▽後半ロスタイム5分から出場し、ドリブルで攻め込んだFW中島 シュートまで行けたんじゃないか。もっと向上させるところはいっぱいある。ホーム開幕戦に向けて1週間準備する。

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