王者横浜F・マリノスが首位神戸に大逆転勝ちを収めた。前半途中までに2点をリードされたものの、FWアンデルソン・ロペス(29)の2得点などで3-2と逆転。リーグのアウェー神戸戦は11戦不敗(8勝3分け)と圧倒的な数字を継続し、通算5勝2分け2敗で勝ち点17とし、神戸に同2差の暫定2位に浮上した。残り7試合は23日に行われる。

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狙った獲物は逃さなかった。横浜は後半37分、敵陣左サイドでMF西村、喜田が、ボールを保持する神戸DF酒井にプレスをかけ、背後から急襲したFW・Yマテウスがボールをかっさらってゴール前に進入。そこからのクロスがAロペスの決勝弾を生んだ。

「日々成長するのが目標。チームに貢献でき、チームの勝利が一番うれしい」とAロペス。前半33分の追い上げの1点目に続き、この日2点目。3試合連続ゴールで、得点ランク単独トップに浮上する通算7点目になった。

得点を演出した途中出場のMF西村は「あれは僕が特に意識したプレーではなく、ヤンとロペスがすごかった。大きい勝利だと思う」と冷静に振り返った。

前半28分までにミスから2失点した。一方的になりかねない展開にも、この日、2アシストのMF水沼は「みんなが『大丈夫』と声をかけていた。だから次のプレーに向かえた。チームには、助け合う強さがある」と証言した。

開幕から8試合で総失点はわずか3だった神戸から、約60分間で3ゴールをもぎ取った。Aロペスの1点目を号砲に、前半終了間際にMF渡辺の3年ぶりの得点で追いつく。迎えた後半も真っ向勝負を制した。

マスカット監督は「(得点場面以外の)プレーの質も高く、あの2点は彼へのボーナスのようなもの」と助っ人を絶賛しながら「全員が高い強度でプレーができた」。神戸とのアウェー戦はこれで11戦不敗を続け、ついに昨季王者が暫定2位に浮上した。【横田和幸】