横浜F・マリノスが約10カ月ぶりに復帰したFW宮市亮(30)の涙の決勝ゴールで柏レイソルに4-3で勝利し、首位に立った。一時はリードされる展開も、後半ロスタイム4分に同点。終了間際の同7分、宮市が混戦から右足で決めた。昨年7月に右膝前十字靱帯(じんたい)を断裂。手術、リハビリを経て5月に実戦復帰した。4度目となる膝靱帯の大けがを乗り越えての復帰後初ゴール。チームに勝利をもたらす劇的な一発で、支えてくれたチームメート、サポーターと喜びを分かち合った。

「もう見ることはない」と覚悟した光景だった。自らのゴールで、スタジアムが割れるような歓声に包まれた。仲間にもみくちゃにされる感触がたまらない。「決めた喜びよりも、みんなが駆け寄ってくれた感じがうれしかった」。おかえり、宮市-。痛いほど強く飛びついてくるチームメートの笑顔に囲まれた。

1度は逆転される苦しい展開。2-3の後半34分、「絶対に流れを変える」とMF水沼とともにピッチに入った。3-3で迎えたロスタイム7分、MFマルコス・ジュニオールからのパスを受け、ペナルティーエリア内から無心で右足を振った。DFに当たったボールは回転しながら、するするとゴールへ。「とにかく入ってくれと。とにかく入ってくれと。みんなの力が(ボールに)乗ったかな」。パスを届けてくれた仲間への感謝を口にした。

約10カ月の長期離脱。練習試合にこぎつけても、状態が悪化して別メニューに逆戻りしたこともあった。リハビリのため、誰もいない日産スタジアムの階段で1人、上り下りを繰り返した。自分の足音だけが響いていた日々を乗り越え、ゴールで2万人以上が集まったスタンドを歓声に包んだ。「忘れることのないゴールだと思う」。感じ入るように語った。

膝の靱帯(じんたい)の負傷は合わせて4度。何度悲劇に見舞われても、立ち上がってきた。今回の復帰に向けてはリハビリの過程も公開。1人でも多くの人に「あきらめない気持ちさえ持っていれば、何かが変わる」と伝えるためだった。大けがからよみがえった右足で仕上げた逆転のストーリーは、不屈のサッカー人生を映したかのようだった。【岡崎悠利】

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