第102回全国高校サッカー選手権は28日、東京・国立競技場で開幕する。
日刊スポーツでは26日から注目校を3回連載。第2回は、2大会連続2度目出場の飯塚(福岡)。DF藤井葉大(ようた、3年)が、金星獲得で、目標の「全国4強」に向けて勢いをもたらす。プレミアEAST王者で優勝候補筆頭の青森山田と31日の初戦(浦和駒場)で対戦する。元日本代表DF長友佑都(37)が目標の左サイドバックはチームの強みである堅守をけん引して、内定している来季のJ2岡山加入へ弾みをつける。
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藤井は、気合十分で口にした。「日本一をとった最高の相手で楽しみ。一戦、決勝で臨みたい」。
元日本代表DF長友と内田篤人が憧れで目標という左サイドバックは、高校年代最高峰リーグ「高円宮杯U-18プレミアリーグ」王者の青森山田との初戦に向けて、武者震いだ。
飯塚入学時は50メートル走6秒3の快速FWだった。だが、就任9年目の中辻喜敬監督(38)が「180センチあり、左利きで足が速い。個人のキャリアを考えた時に希少性も高いので、1年の終わりからサイドバックにコンバートした」。転向が的中して、能力が開花した。
U-18プレミアリーグの選手データを到達目標に設定したGPS(衛星利用測位システム)活用、中辻監督が自費150万円を投じて作った筋トレルーム利用などで実力を蓄えた。藤井は「今は時速32キロでコンスタントに走れる。速いスピードを何回も繰り返せる持続力がある」。走行距離やスプリント回数が向上。またカタールW杯での「三笘の1ミリ」のように、球際の大切さを共通理解としている。0秒01秒の間に距離にして5・5センチ進むことが可能というデータを基に練習に励み、球際の勝負に力強さが増した。中辻監督が「Jリーグや日本を代表する選手になるであろうと思う」と評す攻守のキーマンに成長した。
中辻監督は、初戦について「正面勝負は勝負にならない。桶狭間の戦いをどこにつくるか」という。織田信長が相手の大軍を奇襲で破った「番狂わせ」をカギに掲げる。藤井も「勝負で勝る部分があると思う。得意な土俵に持ち込む」。福岡大会決勝では、プレミアWESTで戦う格上の東福岡をシュート5本に封じて1-0の完封。強みである堅守の要として、チームをけん引し、流れを引き寄せる。【菊川光一】
◆藤井葉大(ふじい・ようた)2006年(平18)1月16日、広島市生まれで山口・下関市育ち。サッカーは勝山小1年から勝山SSSで始め、勝山中ではセイザンFC所属。飯塚では1年の高校総体福岡予選からベンチ入り、2年の新チームからレギュラー。持ち味は対人の強さ、精度の高い左足キック。180センチ、73キロ。



