サッカーJリーグのヴィッセル神戸は17日、メディア公開練習を行った。阪神・淡路大震災から29年となったこの日は、練習に先立って選手・スタッフが円になって黙とうを行った。
吉田孝行監督(46)は「ヴィッセル神戸としての始動日が(95年の)震災と重なり、震災とともに立ち上がったクラブ。サッカーができる喜びとか、当たり前のことを当たり前にできる喜びを感じながらやっている。見ている人に感動を与えるような、ワクワクするサッカーをしたいと思っている」。あらためてクラブにとって重要な日であると心に刻み、感謝の思いをかみしめた。
新潟育ちで中越地震も経験したDF酒井高徳(32)も「こういう職業をやっていて、こういうチームにいると言うことは、今自分たちにできる、サッカーで力を与えることだったり、そういう気持ちでやることがすごく大事だと思う。当たり前にある日常がそうではないんだよってことを心に受け止められる大切な日だと思う」と神妙な面持ちで話した。
「僕は生死を感じさせられるような瞬間は感じることがあった」と言う酒井は、今年元日に発生した能登半島地震の際は、新潟に滞在中だったという。
自宅で日本代表の試合を見ていたが、震度5強の揺れに危機を感じ、避難した。「揺れを感じて2秒ぐらいで、普通じゃないとわかった。2階にいた子どもを大声で呼んで、家の外に出て高台に逃げました」。
酒井一家は数時間の避難の後に戻ることはできたということだが、被災して苦しんでいる人々を気遣い「安心した生活を送っていただける環境が整ってくれることを願うばかりです」。
阪神・淡路大震災とともに立ち上がり、歩んできたクラブは、今季もさまざまな思いを背負ってシーズンを戦う。
この日の練習では、鳥かごやポゼッション・トレーニングの後に、9対9+GKのハーフコートゲームを実施。オフをはさんで19日から行われる沖縄キャンプに備えた。
指揮官は「今日までは感覚やボールフィーリングの確認や、フィジカル面を徐々に戻すことだったが、キャンプでは基本的に戦術メインで、チームのベースを落とし込みになる。たくさんトライして失敗してもらって、それをしっかり修正していきたい」。キャンプではミーティングで映像を使い、戦術共有を進めていく。【永田淳】



