高校サッカー選手権新潟大会が8月末に開幕した。帝京長岡OBで、20、21年度と2度の全国選手権出場で脚光を浴びた筑波大MF広井蘭人(3年)は、今季の公式戦で8得点を挙げる活躍を見せていたが、現在は、7月22日の練習中に負った右膝の前十字靱帯(じんたい)断裂からの復帰を目指している。世代屈指のファンタジスタは、より強くなってピッチに戻ることを誓うとともに、全国の舞台を狙う高校生にエールを送った。【取材・構成=小林忠】
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取材を申し込んだ数日後、広井は大ケガを負った。それでも手術を受けて退院から2日後、快く取材に応じた。
-今季は関東大学リーグ1部で5得点。公式戦8ゴールを挙げた
広井 ゲームメークをしながら得点ができそうな位置、仲間の位置といった細かい部分の情報を得ながらゴール前に入っていく意識、判断は格段に上がったと思います。
-筑波大では2年から主力に定着。どのように自分を理解してもらう努力を
広井 「こいつにパスを渡しても大丈夫だな」と認めてもらえるように。最初は「相手とこれぐらい(身ぶり手ぶりで説明)の距離にいたらパスをつけて欲しい。取られたら自分のせいにしていい。自分がボールを取り返します」と。攻撃にかかわりながら守備意識、背後へのアクションも増やしました。
-絶好調の中、7月に全治10カ月の大ケガを負った
広井 Jクラブへの練習参加もなくなり、ネガティブな感情に押しつぶされそうになった。でも、今は大ケガがチャラになるぐらいのプラスの出来事が起きると思い、リハビリと向き合っています。
-高校時代に比べて体つきがガッチリとした
広井 1年の冬から鍛え始め、2年で大きくなり始めた。体重は60キロで入学し、現在は70キロ。体脂肪率は10%ぐらいです。
-筋肉を増やした効果は
広井 体が動かなくなる印象でしたが、逆に軽くなって高校時代より走れている。スプリントして前に出る力がつき、相手と体をぶつけた時の感覚もいい。ただ、パワーが出過ぎるがゆえに、体が耐えきれなくなり、ケガにつながってしまった。サッカー人生が終わる訳ではないので、これをいい学びにし、パワーに対応できるような体の使い方、しなやかさを身につけていきます。
-帝京長岡ではスーパー1年生として全国選手権4強に貢献し、脚光を浴びた
広井 1年の秋ごろから先発でプレーさせてもらい、経験値が上がっていった。ただ、3年では全国に出られなかった。個人としては県大会準決勝の前半25分で交代を告げられた。全国4強よりも3年で負けた時の後悔の方がはるかに大きいです。
-今後の目標は
広井 高校時代の経験、今回のケガと俺の人生はすごい波があるが、自信を失うことはしたくない。ケガをする前よりパフォーマンスをアップさせてピッチに戻る。ここから「すごい広井蘭人」が来ると信じています。
-選手権県大会がスタート。各校の後輩へエールを
広井 この時期が来ると、あの全国の舞台がうらやましいと今でも思います。試合だけでなく、練習も含めて高校サッカー。特に3年生は一瞬。「もっとやっておけば」と後悔しないように、仲間と1つでも勝ち上がってほしいです。
◆広井蘭人(ひろい・らんど)2005年(平17)3月5日生まれ、新潟県小千谷市出身。FC大和ジュニオルスから中学時代は長岡ジュニアユースFCでプレー。帝京長岡ではアイデアあふれるプレーで攻撃をけん引。筑波大に進学し、今年5月のJ2大宮との天皇杯1回戦で決勝点。U-15、16、17、18、19日本代表。20年度全国高校選手権優秀選手。21、23年日本高校選抜。22年U-17日本高校選抜。24年度デンソーカップチャレンジ関東B選抜。173センチ、70キロ。利き足は左。



