16位と苦闘を続ける東京ヴェルディの城福浩監督(64)が、J1残留へのカギとして「殻を破る」必要性を説いた。
東京・稲城市のクラブ施設で25日、次節27日の浦和レッズ戦(味スタ)に向けて取材対応。0-4と大敗した前節ヴィッセル神戸戦の反省を踏まえ、続く浦和レッズを相手にどう向き合っていくのか、が勝負のポイントとなる。
日本が誇るビッグクラブとの連戦。自分たちが積み上げてきたことを整理し、改めて実践すること強調した上で「各々が1つずつ殻を破らないといけない」と口にした。
この日は練習を前に神戸戦を振り返りミーティングを実施した。
神戸との間に大きな差があるかのようなスコアだが、「差っていうのは本当に些細なもの」と断った上で、こう続けた。
「それは習慣化してるかしてないかっていう非常に大きなものなんですよね。ボールが来る前の準備であったり、ボールの移動中の準備であったり、スイッチが入った時のスプリントの強さであったり、ボールが頭を超えた時の反応であったりっていうのは我々もやってることで、我々のベースに近いところだったんですけども、そこで最初のスタートポジションから、頭をかえた反応から、少しずつ違うんですよ。その少しがトータルするとものすごく大きな差に見える。ああいう日程の中で選手層を自分が厚くし切れてないっていう反省とともに、もう1つは、なぜこの差があのように大きく見えたかっていうところは、我々の準備のところから優位性をもっと保てれば、あるいはアクションのところで少しでも先手を取れれば、恐らくあんな差にはならなかった。あそこはほんの少しの差が積み重なってこういうふうになったんだっていうことは共有しました」
あらためてその神戸戦。マークの受け渡しがうまくいかないなどの基本的な部分が見えた。例えば1失点目につながる前半10分のプレー。相手の左DF永戸勝也が縦にパスを預け、左ニアゾーンへフリーランニング。FW平尾勇人かMF森田晃樹が対応すべきところでコミュニケーションが取れず、慌てて森田が追走したが遅かった。
「どちらかが(付いていけと)言うべきです。言わないんだったら自分がついていかなきゃいけない。無言でプレーしたら、それは破綻します。なんでもないプレーです」と説明した。
城福監督が言う「自分の殻を破る」とはこういうところだ。遠慮はいらない。チームのために言葉や気迫を出してプレーすること。各々が自分の殻に閉じこもっていれば、チームの力は最大化されない。ちょっとした意識付けであり、勝ちたいという意欲を求めている。
神戸に続く次戦は、クラブワールドカップ(W杯)で世界を相手に戦った浦和。個々のレベルを東京Vと比べれば、間違いなく格上だ。
「外国籍の選手がフィールドのうち半分、要所要所でピッチに立っている。縦の軸はまさに外国人の選手で担っていて、後はハードワークする選手たちが埋めている。そこにはキックを武器にした選手もいれば、走力を武器に、スピードを武器にした選手もいるという意味では、やはりいろんな個性を持った選手を集めたチーム。後から入ってくる選手、もうやはり特長的なものを、日本でも有数の特徴的なものを持った選手たちが入ってくる。積み上げた足し算でのチーム力っていうのはやはり非常に高いチームだと思います」
今回は累積警告でDFリーダー、谷口栄斗が出場停止となる。今季は多くの主力選手が抜ける中でヴェルディの魂と化し、攻守に渡って戦う。その貢献度は計り知れない。
その谷口について、城福監督はこう話した。
「ここ最近の栄斗は孤軍奮闘っていうと、ほかの選手にはちょっと失礼になるので、それは当てはまらないですけれども。チームがいい状況じゃない時でも、こうポジティブな状況じゃない時でも、彼は本当に頭から湯気を出して、今の状況を挽回するんだというのを、その雰囲気を出してくれていたと思うんですよね。この夏場に最終ラインが2人いなくなって、林もずっとケガをしていた中で、自分が支えるんだっていう思いっていうのは、見ていて伝わってきましたし。彼自身としたら、もう一皮むけた状況ではあったと思います。それぐらいアベレージの高いパフォーマンスを示してくれていた。それは心身ともにですね」
そして格上の浦和に勝つためには、谷口のように“殻を破る”新たな存在が求められる。指揮官はこう続けた。
「彼が(警告を)3枚もらっていたのは分かっていたので、どこかでこの状況にはなるというのもチームでは覚悟してましたし、こういう時に今度誰が、栄斗のようなチームを引っ張る気概を見せてくれるのかっていうのは、本当に待ちたいというふうには思います」
賽は投げられた-。残り7試合。誰かに頼るのでなく、各々が強い気概を持って立ち向かうことを指揮官は強く求めている。【佐藤隆志】



