「J2の番人」こと水戸が、クラブ悲願となるJ1初昇格とJ2優勝を成し遂げた。
2-0で大分に勝利し、2位から逆転優勝。後半1分に茨城出身のFW多田圭佑(23)のヘディングシュートで先制すると、同30分にはMF山本隼大(22)の2試合連続ゴールで試合を決定づけた。94年に地域クラブとして誕生。00年のJ2参入から26季目にしてようやくの「J2卒業」を力強く宣言した。
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水戸のレジェンドが、1年で夢をかなえた。本間幸司クラブリレーションオーガナイザー(CRO、48)は初のJ1昇格を会場で見届けた。スタンドには、現役時代と同じ「幸司とJ1」の横断幕。「あらためて見て、夢が現実になったと感慨深かった」と喜んだ。
クラブ在籍27年目の元GK。J2出場試合数は最多の「577」を刻んだ。しかしJ1は「0」。昨年9月の引退会見で未踏の地を“夢”と表現した。「J1昇格したときにこのクラブにいたら幸せ」。描いていた舞台に裏方で到達した。
26年間、水戸のゴールを守り「選手じゃない方がクラブのためになる」と引退を決断。CROに就任し、現場とフロントの両面に携わった。ある日は営業や運営の会議に出席。次の日にはGKにボールを蹴った。横断的な仕事で、ピッチ内外をつないだ。「お互いの気持ちを伝えられる立場。それが今の成績につながっていればいい」と誇った。
森監督とは現役時代のチームメート。CBとして活躍した姿を思い返し「守備のスペシャリスト」と評価する。監督としては、選手を積極的に入れ替えながら起用。長年続いた黒髪の伝統を打破し、OBらを説得して金髪を解禁させた。「思い切って大胆な決断ができる。髪を自由にしたのは、選手にもいい影響があると思う」と納得した。立場を変えて歓喜をともにし「同い年で親友。彼と一緒に喜べたことも本当にうれしかった」とほほ笑んだ。
水戸への愛は人一倍強い。「ホーリーホックが町の文化になってほしい。みんなが誇り、愛着を持って応援してもらえるようなクラブにしたい」。早くも次の夢を描いた。【飯岡大暉】



