全国で最も多い名字とされる「佐藤」と、次に多い「鈴木」のサッカー対決が8日、栃木・佐野市のコンチネンタルホームフィールドで行われ「佐藤さん」チームが「鈴木さん」チームを相手に4-2の逆転勝ちを収めた。

「佐藤姓」発祥の地、を掲げる同市が町おこしの一環で開催したイベント。佐藤さんチームは元日本代表の佐藤勇人さん(43)が、鈴木さんチームはモノマネ芸人のニッチロー(47)がそれぞれ選手兼監督を務めた。

事前に募集を呼びかけ、佐藤46人、鈴木30人の応募から選抜した17人ずつのメンバーがそろった。全国津々浦々から集まった選手たち。年齢も性別も、サッカー経験もバラバラだが、同じ名字というアイデンティティーの下、団結した。

試合は序盤から鈴木さんチームが主導権を握る。中盤からの組み立てで立て続けにチャンスをつくり、PKを獲得。これを冷静に決めて先制に成功した。

佐藤さんチームも負けていない。途中出場したメンバー最年長のFW佐藤譲穣さん(42)が一瞬の隙を逃さずゴールネットを揺らすと、前半終了間際にも再び佐藤穣さんが押し込んで逆転。佐藤さんチームが前半を2-1でリードして折り返した。

後半は、立ち上がりから鈴木さんチームが圧力を高めた。佐藤さんチームのミスを突き、開始早々に追いつく。その後は一進一退の攻防が続いたが、佐藤さんチームが速攻で左サイドから進入して、再び突き放した。勝負あり。終盤にも1点を加えて4-2で勝ち切った。

後半途中から出場し、抜群の安定感をもたらした佐藤勇人さんは「それぞれの名字に誇りを持って生きていくことが大事。僕らが名字に誇りを持つと、それを見習って子供たちも名字や名前に誇りを持って生きていくと思う。これから、名字や名前に誇りを持つきっかけの日になった」と満足げに振り返った。

この死闘は「3月10日(佐藤の日)」に合わせて開催され、昨年は野球で佐藤さんチームと鈴木さんチームが対戦した。野球も4-2で佐藤さんチームが勝利しており、蹴球と合わせて2連勝とした。

全国で200万人いるとされる「佐藤」は、飛鳥時代から政治の中枢を担った藤原一族を起源とする説が有力。平安時代の中ごろに活躍した武将・藤原秀郷の居城が佐野市にあったことから「佐」野の「藤」原として、同市が佐藤の「聖地」になった。以来、さまざまな情報発信や催しを行っている。【佐藤成】