<天皇杯:横浜2-0広島>◇決勝◇1日◇国立

 21大会ぶりの天皇杯優勝に樋口靖洋監督(52)も万感の思いだった。リーグ戦では優勝を目前にしながら、まさかのV逸。しかも、この日の相手は逆転Vで横浜に苦杯をなめさせた広島だった。

 「(リーグ戦の)悔しさを胸に刻んでバネにできた」。試合後の樋口監督の口からは屈辱の思いが真っ先にこぼれた。

 指揮官だけじゃない。悔しい思いを選手もプレーで体現した。前半17分、日本代表FW斎藤学(23)のゴールで先制すると同21分には、MF中村の左CKから、最後はDF中沢佑二(35)がジャンピングヘッドで押し込んで追加点。試合の主導権を握り、DF陣も完封で相手の反撃をしのいだ。

 リーグ優勝を譲った広島へのリベンジに成功した横浜は、前身の日産時代を含めて天皇杯7度目の栄冠だ。「日産自動車のOBにも、優勝の報告ができてうれしい。すばらしい選手たちです」(樋口監督)と2014年飛躍へ、幸先良いスタートに満面の笑顔を浮かべていた。