コンサドーレ札幌のMF古田寛幸(19)が“古田街道”の着工を開始した。チームは15日、熊本キャンプ4日目で初の紅白戦を実施。攻撃のエースとして期待される古田は主力組の右サイドハーフでプレーし、右45度からゴール前に走り込む得意の動きを再確認した。右膝負傷などで出遅れたが、今季自身初の実戦となる明日17日の熊本との練習試合で、連係に磨きをかけていく。

 古田がゴールへ続く斜め45度の1本道を切り開く。10分2セットで行われた紅白戦。定位置の右MFに入った19歳は、軽やかなステップでゴール前に走り込んだ。MF高木純のスルーパスが通り、一瞬でGKと1対1のシーンができた。昨季から得意とする抜けだしパターン。埋もれていた“古田街道”が熊本で再着工をスタートした。

 石崎監督は「あれはいい動きだったね。まだ、ボールが足についてないけど」と条件付きながら評価。攻撃練習は今キャンプから導入しただけに、まだ“舗装”は万全でない。古田も7日の完全復帰からわずか1週間。だからこそ、今は荒れ道でもいい。試運転となる熊本戦に向け「失敗してもいいからチャレンジして、実戦の中でチームとしての感覚を上げていきたい」と意気込んだ。

 昨年10月のU-19アジア選手権中に右膝外側側副靱帯(じんたい)を損傷し、リーグ終盤9試合を棒に振った。初日から完全合流するはずだったグアムキャンプでは、直前の札幌ドーム調整中に右腓骨(ひこつ)筋腱(けん)を痛め、終盤2日しか全体練習に入れなかった。2季連続の開幕スタメン入りへ、出遅れた分を取り戻そうと必死になっている。

 貪欲に結果を追い求める。ドルトムント香川の活躍からも「やっぱり最終的に評価されるのはゴールということ。自分もチャンスだけでなく、得点というところにこだわりたい」と学んだ。今年は12年ロンドン五輪へ向けた最終予選が始まる。飛び級代表を果たすためには、札幌での得点力がアピール材料となる。「今年は大事な年なので」。昇格と五輪の二大目標へと続く自作のハイウエーを、アクセル全開でぶっ飛ばす覚悟だ。【永野高輔】