<プレシーズンマッチ:磐田4-2岐阜>◇27日◇長良川

 磐田は27日、J2岐阜とプレシーズンマッチを行い、競り勝った。FW前田遼一(29)が1ゴール1アシスト、FW山崎亮平(21)が2ゴールの活躍で、主力組はJ相手に今季初勝利を挙げて3月5日の開幕戦(甲府=中銀スタ)に弾みをつけた。また、MF山田大記(22=明大)が初めて主力組で出場し、大卒ルーキー3人が初めて同じピッチでプレーした。

 磐田2トップが本領を発揮した。前半立ち上がりは連続して攻め込まれたが、同17分、山崎が右サイドの深い位置からクロスを上げると、中央で待ちかまえていた前田がダイレクトボレーで合わせてゴール右隅に突き刺した。エースがJチーム相手から今季初ゴールを奪うと、勢いは加速した。

 中盤でボールが動き始め、縦パスを効果的に使った攻撃を展開。同23分にはルーキーMF小林裕紀(22=明大)のスルーパスに抜け出した前田が右にクロス、山崎が右足で合わせてネットを揺らした。さらに、同ロスタイムには山崎が自ら高い位置でボールを奪い、相手GKとの1対1で技ありのループを決めた。2トップの共演で前半だけで3点のリード。3戦連発の山崎は「前田さんがボールを収めてくれるので僕は常に裏を狙っていた。チームの関係もよくなってきている」。山崎とのコンビネーションの良さを聞かれた前田は「そうですね」と言葉少なだったが、エースと期待の若手で形成した2トップによる大量得点は、チームに何よりの自信を与えた。

 この日の活躍で自身初の開幕スタメン出場をほぼ確実とした山崎は「開幕は内容よりも結果にこだわってやりたい」と言い切った。その開幕戦は5年連続未勝利中。開幕ダッシュを目指し、8試合の練習試合を消化する「実戦型」の準備を進めてきたが、最後になって今季目玉の2トップが目を覚ました。【神谷亮磨】