トヨタクラブW杯は今日16日、横浜国際総合競技場で決勝戦を行う。初優勝を狙う欧州王者チェルシー(イングランド)と、南米王者コリンチャンス(ブラジル)が対戦する。両クラブは15日、前日練習で順調な調整ぶりを見せた。とりわけ、すでに今季の欧州チャンピオンズリーグ(CL)敗退が決まっているチェルシーイレブンの意欲は相当なもの。手段を選ばず、勝ちにいくつもりだ。

 チェルシーはこの日、ベニテス暫定監督とDFイバノビッチが昼からの前日会見に出席。夜には横浜市内のグラウンドで公式練習を行った。会見の席では暫定監督、イバノビッチの両人に、ブラジルメディアからの質問が飛んだ。

 「コリンチャンスの監督は、あなたたちが守備的に戦って昨季CLを制したと言っていた。それについてどう思うか」。確かにチェルシーは徹底的に守って、カウンターの一撃でバルセロナとの準決勝第1戦に勝利。決勝でも敵地ミュンヘンで、Bミュンヘンを相手に同じような内容でPK勝ちした。しかし文句を言われる筋合いはない。

 イバノビッチは「優勝は運だけではできない。バルサに勝って決勝に進んだわけで、我々は最善を尽くした。毎回、毎回、守備的なプレーをするわけではないが、一番重要なのは結果」と断言。ベニテス暫定監督も「勝つことが大事。勝つためにはプレーをしなければいけないから、良いプレーができる準備をする。それだけだよ」と受け流した。

 今回の決勝戦は、戦力的にはチェルシーがキープ率を高めて攻め、コリンチャンスがカウンターを狙う展開になりそう。それでも「どんな展開になってもチェルシーは守備を固めていく。その上で素晴らしい攻撃陣で得点する」とイバノビッチ。「それが悪いか!」とばかりに力強く話した。【千葉修宏】