ロンドン・パラリンピック男子5000メートル(視覚障害)で銅メダルを獲得した、和田伸也(38)が16分29秒25で優勝した。

 納得のいかないレースだった。残り200メートルでラストスパート。ゴール手前では、ガイドランナー中田崇志さんとをつなぐひもを外してゴールした。自身が持つ日本記録の15分51秒94よりも40秒近く遅い記録だったため、笑顔はなかった。「16分15秒ぐらいは出したかった。中盤からのペース配分を誤ってしまった。悔しいです」。

 中田さんは中盤以降、「前、前!!」と何度も忠告していた。和田はバネがあるため、途中から足が前へ出ず、跳ねてしまうという。

 先月は北海道で夏合宿を行ったが、天候に恵まれず、思うようなトレーニングが出来なかった。中田さんは「調整不足」とも指摘した。

 和田は網膜色素変性症のため徐々に視力を失い、20歳で全盲になった。高校までラグビーをしており、陸上に転身。初出場のロンドン大会で銅メダルを獲得し、昨年10月の韓国・仁川アジアパラ大会では800メートル、1500メートル、5000メートルの3種目を制覇した。

 今月末にもリオ大会の出場者が発表される予定で、

来月にはカタール・ドーハで世界選手権が行われる。和田は「リオに向けて必ず結果を出します」と力強く宣言した。