日本人初の100メートル9秒台をマークした陸上男子の桐生祥秀(21=東洋大)が200メートルでも日本記録に照準を定めた。

 18日、東京・文京区内の東洋大白山キャンパスで報告会に競泳女子の大橋悠依(22=東洋大)らと出席。200メートルの自己記録は13年の京都・洛南高時代に出した20秒41で、来季について「200メートルでは100メートルの2倍ぐらいのタイムになれるように」と抱負を語った。9秒98の2倍は19秒96。それは日本記録20秒03の更新となるが「がめつく狙っていきたい」と力強く言った。9秒98を出す前、250~300メートルのダッシュを数多く積んでいた。長い距離を走る練習効果は実証済み。来季は100メートルの日本記録更新はもちろん、本職ではない200メートルも昨季より多くレースに取り組み、今度は「20秒の壁」突破を目指す。

 3月には卒業する。単位も順調に取っており、「大学生活はやり尽くした。後悔もしていない。来年4月が待ち遠しい」と充実感をにじませた。日本陸上界の歴史を変えた男は、練習がオフの期間もイベントなどのオファーが殺到しており、連休はわずかな見込み。それでも大学生らしく、友人との国内への卒業旅行を心待ちにしていた。