早大をなめるな! 総合13度の優勝を誇る古豪の早大が、トップの東洋大から1分56秒差の3位に食い込んだ。3年連続の5区山登りで、安井主将が区間2位と好走。「早稲田がここにいるぞと示したかった。力を出し切った」と、5位から3位に浮上だ。

 今季の早大は出雲9位、全日本7位。前評判は高くなかった。しかし、「早大はもうないとか言われた。悔しくて下馬評を覆したかった」と安井主将。区間賞に20秒及ばなかったが「存在感は示せた」。

 主将として、ぐいぐい引っ張るより、一緒にまとめていくタイプだ。「山の神にはなれない」と発言も控えめ。その優しさが、過去2年の5区では弱点だった。十分な練習量がありながら慎重になり、爆発できず。それが今回は相楽監督も「優しい安井から力強い安井になった」と絶賛だ。

 ただ、往路優勝を狙った布陣だっただけに復路の選手配置に頭が痛い。初出場が数人出る予定で「彼らがどれだけ走れるか」(相楽監督)がカギ。東洋大との1分56秒差は十分に射程圏内。相楽監督が「箱根は別物」と言い続けてきた伝統の底力を見せつける。【吉松忠弘】