第95回箱根駅伝予選会が10月13日、行われる。スタートは午前9時35分。39校が参加する。本選には23チームが出場(学生連合1チーム含む)。予選会からは11校が本選に出場する。有力選手など今回の箱根駅伝予選会に関するQ&Aをまとめた。

Q 予選会への参加資格は?

 今年度の関東学生陸上競技連盟男子登録者で、エントリー者全員が17年1月から18年9月末までに1万メートル34分以内のトラックでの公認記録を持っていることが条件です。

昨年は5000メートルで16分30秒以内の公認記録保持者も出場できましたが、今年はこの参加資格がなくなりました。

順大の塩尻和也(左、2018年1月2日)
順大の塩尻和也(左、2018年1月2日)

Q 予選会には何回出場できますか?

 本予選会並びに箱根駅伝本大会出場回数(エントリー時点で出場とみなす)が通算4回未満である選手が出場できます。ただし、別加盟の大学院の選手は学部での出場回数に関係なく新たに4回まで出場できます。


Q チーム構成は? 

 1校1チームの出場です。エントリーは10人以上14人以下。出場は10人以上12人以下になります。


Q 会場はどこで、どれくらいの距離を走るの?

 東京・立川市の陸上自衛隊立川駐屯地を午前9時35分に一斉スタート。立川市街地を走り、国営昭和記念公園がゴールになります。昨年までは20キロのレースでしたが、今年はハーフマラソン(21.0975キロ)で競います。


Q 何校エントリーしてるの?

 39校がエントリーしました。以下が出場校です。学校名右の()数字は本戦出場回数。

<今年1月の本戦出場校>

順大(59)、駒大(52)、神奈川大(49)、国学院大(11)、中大(91)、大東大(49)、東京国際大(2)、山梨学院大(32)、国士舘大(46)、上武大(10)

<過去に本戦出場経験のある学校>

創価大(2)、明大(59)、専大(68)、東農大(69)、筑波大(62)、亜大(33)、平成国際大(1)、関東学院大(6)、慶大(30)、立大(27)、東大(1)、防衛大(2)

<本戦未出場の学校>

麗沢大、日本薬科大、流通経大、桜美林大、駿河台大、武蔵野学院大、明治学院大、東京経大、東京情報大、東京理科大、学習院大、上智大、一橋大、帝京平成大、首都大東京、東工大、高崎経大


Q 久しく本大会で国立大学の出場が無いと思います。予選会には出場しているのですか?

 今年の予選会への国公立大、私立大ほかの内訳は以下の通りです。

国立大=4校(筑波大、東大、一橋大、東工大)

公立大=2校(首都大学東京、高崎経大)

省庁大学校=1校(防衛大)

私立大=32校(順大、駒大、神奈川大、国学院大、中大、大東大、東京国際大、山梨学院大、国士舘大、上武大、創価大、明大、専大、麗沢大、東農大、日本薬科大、流通経大、亜大、桜美林大、平成国際大、駿河台大、関東学院大、武蔵野学院大、明治学院大、慶大、東京経大、立大、東京情報大、東京理科大、学習院大、上智大、帝京平成大)。

第1回大会で優勝した東京高等師範学校は筑波大の前身です。過去62回の本大会出場を誇る筑波大も70回大会(1994年)を最後に箱根路から遠ざかっています。同大は箱根駅伝復活プロジェクトを掲げて25年ぶりの本大会出場を目指します。


Q 今年の本戦出場を逃した日大の名前がエントリー一覧にないのですが、予選会に出場しないのですか?

 日大は「関東インカレ成績枠」で本戦の出場権を得ており、予選会免除で箱根を走ります。

関東学生陸上競技連盟は14年4月に関東学生対校選手権(通称では関東インカレ)男子1部の14年~18年までの5大会の総合得点が最も多い大学に「関東インカレ成績枠」として95回大会の出場権を与えることを決定していました。そのため今年5月に行われた関東インカレ終了時点で日大の箱根駅伝出場が決定しました。


Q 予選会から本戦に出場できるのは何校?

 今年は95回の記念大会のため本戦を23チーム(学生連合チーム1チームを含む)で行います。今年1月の本戦でシード権を得た10校に日大を加えた11校がすでに出場を決めているので、予選会からは11校が本戦に出場できます。


Q 昨年の予選会よりも随分エントリー校数が少ないように思うのですが…。

 昨年の予選会出場校は49校でしたが、今年は39校なので10校少ないです。

昨年は5000メートルで16分30秒以内の公認記録保持者も出場できましたが、今年はこれがなくなったため予選会出場も狭き門となりました。昨年の予選会に出場していて今年の予選会に出場しない学校(すでに本戦出場を決めている学校は除く)は以下の通りです。

埼玉大、横浜国立大、東京学芸大、芝浦工大、国際武道大、茨城大、東大大学院、成城大、千葉大


Q 本戦にはどうやったら出られるの?

 各校上位10人の合計タイムで競い、上位11校が本戦出場権を獲得します。合計タイムが並んだ場合、各校上位10人の合計順位が少ない大学が上位となります。さらに並んだ場合は、各校最上位選手の順位が上位の大学が権利を得ます。


Q 今回も関東学生連合は結成される?

 予選会を通過できなかった出場校の記録上位者を中心に選考します。今年5月の関東インカレの5000メートル、1万メートル、ハーフマラソンの成績も多少考慮に入れての専攻となります。1校から1人で留学生は除きます。チームとしてはオープン参加、チームおよび個人ともに記録は参考記録扱いです。

前回から出場資格が「本戦出場経験がない選手」に変更され、過去3回連続でメンバー入りし、今年1月に本戦にエントリーされながらインフルエンザで出場を逃した東大の近藤秀一(4年)にも出場資格があります。

東大の近藤秀一(中央、2017年10月14日)
東大の近藤秀一(中央、2017年10月14日)

Q 予選会では同じユニホームの選手が集団で走っていることが多いけどなぜ?


 本戦には各校上位10人の合計タイムが少ない大学が出場できます。この時大切なのはエースがタイムをしっかり貯金するとともに、9番目や10番目の選手が落ちこぼれることなく確実に走りきることが必要となってきます。

 レースでは1人で走るよりも集団の中に入って前を行く選手についていく方が心身ともに楽に走れます。また苦しくなっても、お互いが励まし合うことで、精神的に挽回できることがあります。そのため戦術のひとつとして、ひとりのペースメーカーの元、集団になって落ちこぼれをなくす方法をとるのです。


Q 予選会の有力選手は?

 1万メートルの資格記録が27分台の選手が3人います。

2年前のリオ五輪3000メートル障害に出場した順大の塩尻和也(4年=伊勢崎清明、1万メートル27分47秒87)、昨年の予選会で個人トップでゴールした桜美林大のレダマ・キサイサ(3年=テンデレ高、同27分52秒74)、同じく3位の日本薬科大のサイモン・カリウキ(4年=ギアカンジャ高、同27分55秒10)です。この3人に加え資格記録こそ28分02秒85ですが、今年5月の関東インカレでハーフマラソン1位、1万メートル2位のドミニク・ニャイロ(4年=メサビサビ高)の4人を中心に上位を争いが展開されそうです。

1万メートル28分台の選手はニャイロを含めて23人もいます。その中では関東インカレ1万メートル8位の中大・中山顕(4年=伊奈学園総合、28分22秒59)、関東インカレ5000メートル3位の明大・阿部弘輝(3年=学法石川、28分27秒56)、今年の箱根駅伝1区6位の神奈川大主将・山藤篤司(4年=愛知、28分25秒27)、山梨学院大の主将・永戸聖(4年=盛岡工、28分30秒59)らの走りに注目です。

昨年の予選会で1位でゴールする桜美林大・キサイサ(2017年10月14日)
昨年の予選会で1位でゴールする桜美林大・キサイサ(2017年10月14日)