陸上男子110メートル障害の金井大旺(25=ミズノ)が19日、恵庭市の北海道ハイテクACインドアスタジアムで練習を公開した。東京オリンピック(五輪)を区切りに歯科医を目指すことを公言している道産子ハードラーは「悔いなくやり切って競技を終えたい。極限まで追い込み、いい結果に結びつけたい」と力を込めた。

体力づくりと走り込みが中心だった8~16日の沖縄合宿では「肩甲骨、上半身を連動させた、いい走りができている」と好感触を得た。この日はハードリングを重点に約2時間、汗を流し「風のない、いい環境の中で技術面を確認したかった」。課題の踏み切りのタイミングや、重心位置などを1走ごとに映像を見返し入念にチェックした。「フライングにつながっていたスタートでの腰の微妙な動きにも対応できてきている」と充実感をにじませた。

昨年は2年ぶりの日本選手権制覇、3度の自己記録更新、さらに日本陸連の優秀選手賞にも初選出された。「とても良いシーズンだった。その良い感触をキープしながら、冬のトレーニングに入ることができている。修正点はまだ安定していないが、技術練習を増やし完成度を高める」。

今季は4月の記録会からスタートし、織田記念(広島)に臨む。五輪参加標準記録(13秒32)が当面の目標。「春から良いレースをして、五輪への準備期間をつくりたい。五輪の準決勝で戦うには13秒2台前半を出しておかないといけない」と話した。【奥村晶治】

◆陸上の東京五輪への道 参加標準記録突破または世界ランキングによる出場資格を満たす選手は、6月24日開幕の日本選手権(大阪)で3位以内に入ることなどが条件。金井の自己記録13秒27は標準記録(13秒32)を突破しているが、対象期間外のため再びマークする必要がある。北海道関連で標準記録突破は男子100メートル、200メートルの小池祐貴(25=住友電工)男子走り幅跳びの城山正太郎(25=ゼンリン)女子やり投げの北口榛花(22=JAL)。