<全国高校バスケット選抜優勝大会:八戸西82-74初芝橋本>◇男子1回戦◇24日◇東京体育館

 男子で初出場の八戸西(青森)が初芝橋本(和歌山)を82-74で下し、初陣を白星で飾った。例年夏に引退する3年生が5人残り、今大会を照準に猛練習。高校総体も含めて全国大会初勝利で、同校の新たな歴史をつくった。

 勝利の瞬間、八戸西の選手たちは、ひとかたまりになって歓声を上げた。試合終了まで残り6分で68-67まで詰め寄られたが、力を振り絞り再び突き放した。強烈なゾーンディフェンスと、走りまくるバスケットで収めた鮮やかな勝利だ。

 昨年、高校総体に初出場し初戦敗退。今年は県予選で敗退した。進学校とあり3年生は進路に力を注ぐため例年なら、これで引退。だが、5人の3年生が「ウインターカップを目指したい」と越秀昭監督(40)に直訴した。以来、猛練習を積んできた。「練習の集中力は、今まで見てきた中で一番」と越監督はいう。

 12~13日には同校で、bjリーグ東英樹ディレクター(青森高-筑波大出)による「バスケットクリニック」を受講。全国レベルのバスケットボールを学び、選手たちは自信をつけた。佐々木悠悟主将(3年)は「監督さんに『学校の新しい歴史をつくろう ! 』と言われ、苦しくても頑張った」という。

 チームのモットーは「先輩を追い越せ」。昨年の高校総体で初戦敗退した先輩をこの日、追い越した。25日の2回戦は強豪の京北(東京)が相手だが越監督は「喜びに浸ってばかりいられない。明日はやってやるぞという気持ち」と闘志満々だった。【北村宏平】