<全国高校バスケット選抜優勝大会:札幌山の手79-76山形商>◇女子3位決定戦◇28日◇東京体育館

 札幌山の手が山形商を延長の末に破り、05年以来4年ぶりに同校最高位タイの3位に入った。第4クオーター残り42秒で山形商に72-72の同点に追いつかれ延長戦へ。いやな展開だったが、集中力はとぎれなかった。75-76の1点ビハインドからFW本川紗奈生(2年)の連続ポイントで勝負を決めた。本川は「最後は私だけじゃなく全員で決めたシュートです」と目を潤ませた。

 初戦から5試合目で初めて先発を3年生主体に変えた。上島正光コーチ(66)は「最後の試合なので自分たちで決めさせました」と、前日のミーティングで3年生を集め、選手たちに先発メンバー選出をまかせた。今野真澄主将(3年)は「すごい悩みました。最後はボールに対して執着力のある選手を選びました」。これまで3年生は今野のみでの布陣だったが、3年生3人を起用。初先発のFW千田美喜子(3年)は「いつでもいけるように準備はしていました。最後なので思いっきりやろうと思っていました」と話す。シュートはチーム2番目の14得点。リバウンドはチーム最多10本と期待にこたえた。

 来年は1、2年生主体のチームとなる。上島コーチは「今野の空いた穴は大きいが下級生中心に頑張っていきたい」と期待する。今野も「シュート能力はあるチーム。今年以上の順位を狙って欲しい」と後輩たちに初優勝の夢を託した。【黒川智章】