そろばん、英語、エレクトーン。そしてトランポリンに飛び込み。

私が子供のころにやっていた習い事だ。その中で、最後に残ったのが飛び込み。飛び込み1本にしぼってからは、楽しいと思ったことなんてほとんどなかった。楽しかったのは、始めたばかりの2~3年と引退する前のアメリカで過ごした数年くらい。それなのになぜ続けられたのか。自分でも不思議に思う。

今ではやっていて良かったと思うが、楽しかった事より辛い事の方がよっぽどたくさんあった。

それでも、私は飛び込みと出合ったことにより自分の才能を見つけ、目標を持ち、オリンピックという大舞台に立つことができた。その経験から、「楽しいから続ける」だけが答えではないのだと学んだ。

子育てをしていると、「我が子には何が向いているのか」とよく考えることがある。きっと子育てをしている親であれば、みんなそう思うだろう。

子供たちには、今の私たち(親)に出来る最大限の「経験」を与え、たくさんの選択肢の中から自分の「やりたい事」や「好きな事」を見つけてもらいたい。そんな親心から、5歳の長女はすでにいくつかの習い事をしている。

その中の1つは英語だ。そして、レッスンが始まる前にはルーティンがある。近くの本屋さんに行くことだ。目指すは子供の絵本ばかりが置いてあるエリア。その一角にある知育おもちゃが目的だ。

いくつかの商品が自由に遊べるようになっている。その中でも日本地図のパズルが娘のお気に入り。毎週そのパズルを完成させるのが楽しみらしい。

私にとっては「地図=社会の勉強」。しかし、子供にとってはパズル遊びでしかない。これはチャンス。興味がある事への吸収は早いからだ。娘が1ピースはめると同時に、横からはめた県の名前を言う。さらに、イメージしやすいよう、その土地の特徴や産物、娘も知っている友人や知人の名前を言うようにしている。

すると、やり始めた頃は1人で完成できなかったパズルも、最近では私が吹き込んだ雑学と共に数分で完成させるほどになった。親がやらせたい習い事よりも、よっぽど覚えが早い。なんだか考えさせられる。

子供は、興味があるか無いかが全ての基準。

それでも、将来のためにと「親の期待」でさせている習い事はもうしばらく続けてもらうとして、その他にも興味がある事はどんどん挑戦させてあげたいと思う。そして、彼女が進みたい道を一緒に考えてあげられる存在でいる事が親としての目標だ。

きっと私の母も、そんな想いで飛び込みを続けさせたのだろう。

我が子はどんな人生を歩みたいのか。日々のさまざまな言動の中から子供の興味を見逃さないよう、これからもしっかりとそばで見ていてあげたいと思う。

(中川真依=北京、ロンドン五輪飛び込み代表)