全国高校ラグビー3日目の今日30日、25年ぶり16度目の優勝を狙うAシード秋田工(秋田)が、満を持して若狭東(福井)との初戦(2回戦)に臨む。チームは29日、奈良市の航空自衛隊奈良基地グラウンドで入念な最終調整を行い、迎撃態勢を整えた

 古豪・秋田工が本気モードの臨戦態勢に入った。初戦(午前9時30分開始)をにらんだ午前8時30分からの最終調整。約2時間、状況ごとの意思統一に加え、場面に応じた動きをFWとBK陣に分かれて確認し合った。黒沢光弘監督(51)は「けが人も回復し、(登録)25人全員が使える。しっかりと5試合を戦う準備はできた」と優勝までの青写真を広げた。

 自衛隊基地の練習場も、決勝前日の1月6日まで予約。まさに前線基地は整った。この日の練習後は取材陣の要望に応え、展示されているF-104J迎撃戦闘機の前で“出陣式”。機名の「栄光」に、黒沢監督も「いいね~」と笑顔を見せた。

 2大会ぶり64度目の全国出場。通算127勝42敗15分け(抽選は8勝6敗1分け)と驚異の勝率を誇る。若狭東との初戦は通算185試合目、福井勢と初対決になる。山形中央を45-0で完封した1回戦は宿舎でテレビ観戦した。日本代表候補で、明大進学が内定しているFB成田秀平主将(3年)は「初戦なので入りを大事にしたい。Aシードにふさわしい試合をしたい」と意欲。さらに、「歴史をつくりたい。達成して高校生活を終わりたい」と名門の伝統を背負う気概を示した。【佐々木雄高】