<世界柔道>◇27日◇女子78キロ超級◇パリ・ベルシー体育館

 表彰式を終えた杉本美香(27=コマツ)は、大きくため息をついた。大会2連覇が懸かった試合。復帰した北京五輪女王の■文(中国)とも対戦したかった。だが、どちらもかなわなかった。準決勝で中国2番手で、昨年の決勝で破っている秦茜に延長戦の末、横四方固めで押さえ込まれた。3位決定戦で田知本愛に勝って銅メダルを獲得しても「全然ダメです。練習不足もある。もうちょっと追い込んだ練習をしないとダメ」と悔しがった。

 5月の全日本実業団体で左肘の靱帯(じんたい)を痛めた。全治5週間。「ケガは理由にならない。自分がケガするのも悪い」と言い訳にはしなかったが、ケガで満足な練習ができなかった影響が出た。試合前には痛み止めの薬ものんでいた。園田隆二監督は「延長に入って、稽古不足でスタミナ面の弱さが出た。稽古量をもっともっとこなしていかないと厳しい」と指摘した。

 五輪争いのライバルの田知本には勝ったが、五輪本番で金メダルを争う宿敵と一戦交えられなかったのは痛かった。そして■文は今大会も金メダルを取った。練ってきた対策を、出す機会も与えられないまま終わり「またやり直しです」。涙をこらえて話した。※■は人ベンに冬の二点がニスイ