日本の2大会ぶりの五輪が極めて厳しくなった。世界ランク14位の日本は同8位のイランに1-3で敗れ、1勝3敗で8チーム中7位から浮上することができなかった。今日2日、同13位のオーストラリアに0-3または1-3で敗れた場合、他国の結果次第では五輪出場の可能性が消滅する。

 コート右から放たれたイランのスパイクが、石川と清水主将の間を抜けた。セットカウント1-2と追い込まれた第4セットの終盤。意地を見せて粘ったが届かなかった。25-26からクロスへのスパイクに反応できず。2人は両膝に手を置き、跳び上がって喜ぶ相手をぼうぜんと見つめた。

 第4セットは12-14から石川と清水にトスを集めて反撃した。点を奪い合い、24-23とセットポイントまでこぎつけた。しかし、関田が得意のサーブでミスして追いつかれると、ベテラン米山が難しいスパイクを止められ、逆転を許した。

 5月31日のポーランド戦に続き、サーブによる石川封じに苦しんだ。石川は正面のサーブだけを処理し、1本でも多くスパイクを打てる状況を作るのが日本の作戦だった。石川の負担軽減を狙い、第2セットから守備範囲が広い米山を投入したが、それでも石川は体を投げ出してのレシーブを強いられた。米山は「なるべく(サーブが)こない場所に石川を外したが、それでも打ってきた。相手が一枚上だった」と力なく話した。

 今大会で初めて黒いユニホームを着た選手たちは試合前から肩や胸をたたき合い、気合十分でコートに入った。だが、0-3で敗れた4年前のロンドン五輪予選、2-3で敗れた昨年9月のW杯に続く痛い敗戦となった。まだ五輪出場への可能性は残るものの、目安の4勝に到達するには、イランにストレート勝ちした強豪フランスを含めて3連勝しなければならない。厳しすぎる現実を突きつけられた。【岡崎悠利】

 ◆日本の現状 3連敗で五輪切符は限りなく厳しくなった。目安の4勝まで全勝が必要。今日2日のオーストラリア戦に0-3か1-3で負けた場合は、勝ち点3のまま。他の試合の結果次第で、アジア最上位を含めて4チームが勝ち点10以上になる可能性がある。残り2試合で日本は勝ち点9までが最大のために、4チームを上回れない。

 ◆五輪の出場条件 8カ国が総当たりで対戦し、順位を決定。日本はアジア4チーム(イラン、オーストラリア、中国)の中で1位となるか、それ以外の7チームのうち3位までに入れば出場権を獲得する。順位は勝敗で決め、並んだ場合は(1)勝ち点(2)セット率(3)得点率の順で決める。勝ち点は3-0または3-1の勝利=3点、3-2の勝利=2点、2-3の敗戦=1点、1-3または0-3の敗戦=0点。