バドミントンの桃田賢斗(23=NTT東日本)が天才と形容された抜群のセンスを取り戻した。15日に決勝があったオランダオープンを制し、米国、ベルギー、チェコに続き、4大会連続の国際大会制覇。成田空港に帰国した17日、「4大会連続優勝は自信になった」と手応えを口にした。

 最大の収穫は「省エネ」プレーだ。5月に無期限試合停止処分が解除された。復帰当初は、試合勘が戻らないこともあり、常に全力プレーを試みた。プラスの効果もあった一方で、精神面に余裕がなく、時に消極的になったり、常に全力のためスタミナの消耗も激しかった。

 実戦復帰から5カ月。国際大会など実戦を積み重ねたことで「点を取るだけでなく、相手のミスを誘うプレー」もできるようになってきたという。「すべてフルスピードでなく、良い意味で、しっかり休める」と続ける。天才的なセンスを取り戻してきたからこその「省エネ」プレーも、4大会連続の国際大会優勝につながった。

 復帰後、282位からスタートした世界ランクも現在110位。今大会の優勝で75位前後にはランクアップしそうだ。「焦らず、ランクよりパフォーマンスを上げていきたい」。元世界ランク2位は、世界ランクに一喜一憂するつもりはない。今後は国内リーグのS/Jリーグに出場後、マカオオープン(来月7日開幕)に参戦。その後は今季最大目標になる全日本総合選手権(来月27日開幕、東京・駒沢体育館)を迎える。