全国高校ラグビー大会で4度の優勝を誇る伏見工・京都工学院が決勝進出を決めた。「伏見工」の名前を背負って挑む2大会ぶりで「最後の花園切符」まであと1勝とした。昨年4月の学校統合により、伏見工の3年、京都工学院の1、2年が在籍。今季限りで「伏見工」の名はラストになる。

 開始10分でフッカー田中が先制トライ。その後も着実に得点を重ねて決勝進出を決めた。相手は昨年の府予選決勝で敗れた京都成章。この日、2トライで昨年の決勝の舞台にも立っていた田中は「ここまでは来ないとあかんし、僕たちには勝たないといけない使命がある」と力を込めた。

 田中自身、全国出場を逃した昨年の敗戦を忘れられなかった。「試合のビデオはもう見たくないというぐらいトラウマというか、きつい試合やった」。だが、今はその悔しさを力に変えている。「今は穴があくぐらい見ている。うまくいかへん時、イライラする時は気持ちを持ち直すために見ている」。

 松林監督は「借りを返す機会が与えられた。次はチャレンジャーとして出し切りたい」と言った。伝統の「伏見工」の名と花園を懸けた決勝は、12日に行われる。