昨年の世界選手権2冠の堀島行真(20=中京大)が93・88点でW杯初勝利を挙げ、開幕が迫る平昌五輪(ピョンチャン・オリンピック)に向け、大きな弾みをつけた。予選を全体3位で通過し、16人による決勝1回目は2位で突破。上位6人の2回目では開幕6連勝の絶対王者ミカエル・キングズベリー(カナダ)を抑え、表彰台の頂点に立った。決勝1回目で敗れた遠藤尚(忍建設)は7位、四方元幾(愛知工大)は12位、原大智(日大)は13位だった。

 平昌五輪前最後の実戦で、堀島が表彰台の真ん中に立った。昨季からW杯13連勝中でW杯歴代最多48勝を誇る地元カナダのキングズベリーを破り、W杯初優勝。「狙っていた部分はあった。うれしい(気持ち)が一番先に来る」とあどけなさが残る顔を緩めた。

 決勝1回目で2位に入ると「ここで失敗したら、今までの自分と一緒」とさらに集中力を上げた。2回目は第1エアで大技ダブルフルツイスト(伸身後方1回宙返り2回ひねり)の着地をこらえ、スピードに乗った。93・88点の高得点をたたき出すと、気持ち良さそうに歓声を浴びた。

 昨年3月の世界選手権ではデュアルモーグルと合わせて2冠を達成。平昌五輪の金メダル候補として一気に注目を浴びた。今季は序盤から低迷が続いたが、技術の修正を重ね、11日のW杯で今季初めて決勝2回目に進み、4位に入って復調のきっかけをつかんだ。

 圧倒的なスピードを武器とする絶対王者キングズベリーにもプレッシャーを与える価値ある1勝。初の大舞台に向け「残りの時間を大切にして金メダルを目指したい」。大きな自信を胸に、決戦の地・平昌に乗り込む。