大臣お願いします。女子スピードスケートの高木菜那(25=日本電産サンキョー)小平奈緒(31=相沢病院)ら平昌五輪(ピョンチャンオリンピック)のメダリストたちが27日、林芳正文部科学相を訪問。帰国報告を行い、国内の練習環境の整備を訴えた。

 日本選手団の解団式とファンへの報告会を終えたメダリストらは文部科学省へ向かった。スポーツ庁の鈴木長官から今後の要望を聞かれ、スピードスケート女子マススタートと団体追い抜きで2つの金メダルを獲得した高木菜は、切実かつ明確に答えた。

 高木菜 ローラースケートをやる場所がすごく少ないです。道路をお借りし、やらせていただいていたりするので、ローラースケートをやれる施設があれば、もっともっとスケート練習につながると思います。

 氷上以外の環境の整備を求めているのはスピードスケート女子500メートルで日本初の金メダルに輝いた小平も同じ。海外に拠点を置いていた頃の経験を踏まえた上で、現状を訴えた。

 小平 自転車を優先的に乗れる道路が欲しいです。

 フィギュアスケート男子の羽生は海外遠征へのサポートだけでなく、全国にスケート場の増加を求め「各地でスケートをやりたいという人が少しでもできるような施設や、きっかけが欲しいです」と話した。

 選手の思いを代弁し、日本オリンピック委員会(JOC)の竹田会長も冬季種目の強化拠点が集約されたトレーニング新施設の建設を要請した。夏季種目の強化拠点、味の素ナショナルトレーニングセンターの冬版をイメージする。竹田会長は「スポーツ医科学のサポートを受けられるものが必要になる」と言った。

 日本選手団は冬季五輪で過去最多となる13個のメダルを獲得。ただ夏季種目に比べ、国内の練習環境は充実しているとは言い難い。一時の感動だけでは終わらせない-。共通するのはメダルを次代につなぐために込められたメッセージだった。【上田悠太】