平昌五輪金メダリスト羽生結弦(ANA)の欠場により、補欠から繰り上がった友野一希(19=同大)が自己ベスト更新に涙した。

 従来の最高得点を2・73点上回る82・61点をマークし、11位発進。得点表示を待つ「キス・アンド・クライ」では笑みがはじけた。

 「ガチガチでした」と緊張して演技を始めたが、演技の冒頭では4回転サルコーに成功。ジャンプは大きなミスなくまとめ、ステップの際には会場に手拍子が響いた。滑りきると右拳に力を込めてガッツポーズ。直後に涙があふれ出た。

 「今までの(苦労してきた)分がこみ上げてきた。怖いのもあった」と振り返った。

 シニア1年目の今季はグランプリ(GP)シリーズ第4戦NHK杯でGPデビュー。その際も村上大介(陽進堂)が急性肺炎となり、大会4日前に出場が決まっていた。

 今回も羽生の代役という立場だが、大会前には「まだ出られる力ではないかもしれないが、次につながる試合がしたい」と意気込んでいた。