アメリカンフットボールの定期戦での悪質な反則行為で関学大の選手を負傷させた日大の選手が22日、都内の日本記者クラブで会見を行った。会見に出席したのは日大の宮川泰介選手(20)。丸刈り頭で報道陣の前に登場。大学の日本代表選手にも選出されながら、反則行為に至った経緯を説明した。

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 ◆4月22、29日 スタメンで出場。

 ◆5月3日 「プレーが悪かった」と練習から外される。これまでこのような処遇はなく、内田前監督、コーチから「やる気が足りない」と説明される。これを機にスタメンから外されたと認識するようになる。また内田前監督から選手に向けて「宮川はやる気があるのかないのか分からないから辞めてもいい」、コーチからは「お前が変わらない限り試合にも練習にも出さない」と言われる。

 ◆4日 関学との定期戦2日前。内田前監督から「日本代表に行っちゃダメだよ」と指示を受ける。当時、6月に中国で開催される第3回アメリカンフットボール大学選手権大会の代表メンバーに選出されていたが、辞退するように強要される。宮川選手は理由を確認することはできず「分かりました」と返答する。またこの日の実戦練習は外される。

 ◆5日 関学との定期戦前日。実戦練習を外される。練習後に井上コーチが「(内田前監督が)相手のクオーターバック(QB)を1プレー目に潰してやれば出してやる。QBを潰すんで出して下さいと言いに行け。相手のQBと知り合いなのか。関学との定期戦はなくなってもいいだろう。QBがケガをして秋の試合に出られなかったら得だろう」と丸刈りも指示される。宮川選手は相手選手をケガをさせるくらい強い気持ちで試合に臨めという比喩表現とは思えず「本当にやらないといけない」と追いつめられる。

 ◆6日 関学との定期戦当日。宮川選手は「ここでやらないと後はない」と試合会場へ向かう。スタメンには宮川選手の名前はなし。試合前練習時にコーチから監督に「言ってこい」と指示され、内田前監督に「相手のQBを潰すんで出さして下さい」と申し出る。内田前監督から「やらなきゃ意味ないよ」と声をかけられる。井上コーチに監督とのやりとりを伝え、「思いっきりやってこい」といわれる。試合前の整列で井上コーチから「できませんじゃすまされないよ」と念を押される。反則行為直後は何も考えられない状況となり、相手選手が代わったことに気づける余裕もなかった。