日本サッカー協会(JFA)相談役で、元キャプテンの川淵三郎氏(81)が23日、ツイッターを更新し、アメリカンフットボールの定期戦で、日大の選手が悪質な反則行為で関学大の選手を負傷させた件について、反則行為を指示したとされる日大の内田正人前監督、井上奨コーチら指導者を批判した。

 川淵氏は現在、Jリーグをはじめ日本社会人アメリカンフットボール協会が主催するXリーグなどボールゲーム9競技の日本の最高峰12リーグの競技力の向上と運営の活性化を目指した活動を行う、一般社団法人日本トップリーグ連携機構の会長を務めている。その立場から「アメフトに詳しくない方は、昔この競技がいかに危険なスポーツだったかはご存知ない。最も盛んなアメリカでは脊椎損傷、脛骨骨折などで下半身不随、死亡事故が頻発していた」アメリカンフットボールが、いかに危険な競技かを訴えた。

 その上で「今は防具が発達し危険なタックルも禁止され事故は少ない。そんな危険な一面を持つアメフトの指導者は怪我に神経質な筈なのに」と反則を指示したとされる日大の内田前監督、井上コーチら指導者に疑問を呈した。

 また、反則行為をした日大の宮川泰介選手(20)が22日に都内で開いた会見を受けて「あの前に彼が退部していたら何も明るみに出る事なく指導者はそのままだったと思うとゾッとする」と会見で同選手が状況を明かしたことを評価しつつ、事態が隠蔽(いんぺい)される可能性があったことを指摘し、批判的な見解を述べた。

 川淵氏は「日大アメフト宮川選手が受けて来た卑劣な扱いに胸が痛む」とツイート。会見で「監督、井上コーチから1プレー目からQBをつぶしに行け。試合前に井上コーチから『できなかったじゃ済まされない』と言われた。秋の関西学院大の試合でQBがケガをしていれば得だろう」などと指示を受けて反則行為を行ったと明かした、宮川選手の心中をおもんぱかった。

 その上で「監督コーチの指示がどうであれ実行した選手が悪いのは事実だが」と、反則行為を実行した宮川選手にも非があると指摘しつつも「指示通りやるかアメフトを止めるか二者択一の状況に追い込まれた事がよく分かる」(コメントは原文のまま)と、宮川選手が精神的に極限状態に追い込まれていたであろうことに理解を示した。