日本バドミントン協会は10日、都内で理事会を開き、再春館製薬所の元監督で現在岐阜トリッキーパンダースに所属する今井彰宏氏(48)に対し、恐喝と金銭不正行為により、無期限で会員登録を認めない処分を下した。

今井氏は5月に熊本県協会から除名され現在会員ではないため、再登録ができないという内容となった。また、再春館製薬所元コーチで現在トリッキーパンダース所属の吉冨桂子氏(43)には、恐喝による倫理規定違反で、無期限の会員登録抹消処分を科した。

理事会後に取材に応じた銭谷欽治専務理事は、2人が同問題で熊本県警の起訴対象となっていることを明かし、「倫理規定にもとづき、重大なガバナンス違反を(本人が)認めたということで決議に至った」と説明した。日本協会の倫理委員会が本人らなど関係者にヒアリングを行い、処分を決定した。処分理由にあたる違反行為については、「これから刑事事件に発展することもあるので、申し上げられない」と内容を明かさなかった。

処分を受けた2人は、現世界女子ダブルス世界ランク1位の福島由紀、広田彩花組(岐阜トリッキーパンダース)など多くの選手を育ててきた実績がある。この処分により、国内外の公式戦に参加することはできなくなる。銭谷専務理事は「同じ仲間として断腸の思い」と話し、「救済する立場でもある」と今後無期限の処分が解除される可能性があることも示唆した。

福島、広田組は、今後も変わらず2人の指導を受けること自体はできる。それでも、銭谷専務理事は「精神的に動揺があるだろう」とし、東京五輪を目指す2人へのサポートを約束した。