16年リオデジャネイロオリンピック(五輪)男子73キロ級金メダリストの大野将平(26=旭化成)が、決勝で五輪2大会連続銅メダルの海老沼匡(28=パーク24)に勝利し、優勝した。

ともに激しい組み手争いを繰り広げる決勝の均衡を破ったのは大野だった。残り15秒、立ち技で海老沼を追い込んだところから倒し、隅落としで技あり。後は海老沼の猛攻を耐え、栄冠をつかんだ。立川新(20=東海大)との準決勝でも残り1秒で内股を決めて一本勝ちし、「我慢強く対応できた結果」と粘りの柔道に自信も口にした。

4月の全日本選抜体重別選手権で海老沼に敗れた雪辱も果たした。「今日はこれ以上ない打ち合いで、お互いに攻撃的にやり合えたのは誇り」。同じ柔道私塾「講道学舎」で学んだ先輩への尊敬も持ちつつ、「4月に先輩に土をつけてもらって目が覚めた。73キロ級は大野将平の階級と見せつけないといけないと、自分にプレッシャーをかけた」とプライドもバネにした。