昨年の世界選手権女子個人総合銀メダリストの村上茉愛(22=日体ク)が表彰台で涙を流した。

予選1位で進出した跳馬でユルチェンコ2回ひねりなどを決めて14・116点をマーク。優勝を決めたが、「表彰台のことを考えていなくて、意外に気持ちがやられてしまった」と振り返った。

今年の世界選手権(10月、ドイツ)の代表を決める最終選考会だが、すでに権利はない。5月のNHK杯を腰痛で棄権したためで、今大会も万全ではない状態で自分で出場を決意。4種目全てで出場権があったが、1週間前に本格的な練習を再開した跳馬のみにエントリーしていた。

表彰式での涙の理由は「いろいろなものが込められていましたが、言えないです」と明かさなかったが、言及したのは世界代表に決まった仲間の5人を見たこと。「目に見えて、目の前で代表が決まって、ちょっときつかったです…。今日は泣かないようにしようと思ったんですけど…」と表彰式後のインタビューでも目を赤くした。

東京五輪の団体出場枠は世界選手権で9位(18年大会の上位3カ国をのぞく)までが得る。女子のエースは、仲間に獲得争いを任させることになる。「こういう結果になったのは自分の責任。そこは反省してやる。みんな頑張ってほしい」と述べた。