サーフィンのワールドゲームズ(WG、9月7~15日、宮崎・木崎浜海岸)で東京オリンピック(五輪)が見える。同大会の実行委員会は28日、都内で大会概要を発表。東京五輪出場権がかかる大会に付帯して日本初の本格的サーフフェスを行うことを明らかにした。来年の東京大会で五輪史上初めて行われる「フェスティバル」を意識した企画。WGから五輪サーフィンが見えてくる。

東京五輪の日程、競技や種目と開始時間がズラリと並ぶが、サーフィンだけは異様だ。7月26日から4日間が競技とされるが、その後8月2日まで計8日間は「サーフィンフェスティバル」。注釈でこの8日間で競技を行うとある。日程は8日なのに、競技は4日? ここに、サーフィンの特殊な競技事情がある。

悪天候で屋外競技が中止になることはあるが、サーフィンの場合はさらに波が大きく影響する。波の状態が悪くて競技日程が変わるのは日常的。天気がよくても波がなければ競技はできない。セーリングが風次第というのにも似ている。

そこで、五輪では予備日を含んで8日間の日程を確保。その間の条件のいい4日間で競技を行う。残りの4日間は競技はないが、チケットの払い戻しもされない。競技を補うイベントが必要で、それが「サーフィンフェスティバル」だ。

競技を見せるのが五輪を始めスポーツイベントの考え方。「サーフィンフェスティバル」と言っても、理解されにくい。国際サーフィン連盟(ISA)は理解を得て準備を進めるために今回のWGでフェスティバルを行うことを決めた。

フェスは9月7、8日の2日間。競技会場の木崎浜に隣接した宮崎県総合運動公園で行われる。出演アーティストは、レゲエユニットのDef Techやシンガーソングライダーの平井大らサーフカルチャーに精通する8組。サーフィンのルーツからカルチャー全体を発信するイベントになる。

WGとフェスには、東京大会の組織委員会の首脳陣も来場する予定。大会実行委員会は「これを、東京五輪につなげたい。来年、これが五輪で初めて行われるフェスティバルの見本になる」と話している。