ノルディックスキー距離などで冬季五輪3大会出場の大高友美監督(43)が率いる鷹栖高クロスカントリースキー部が、14、15日の白滝北大雪大会(遠軽町)で本格始動する。今春創部したばかりで大会は初参戦となる。

経験者の女子2人、未経験の男子2人いずれも鷹栖中出身だ。9月には同中出身で1月の全道高校5キロクラシカルを制した照井咲頼(さら=3年)が南富良野高から転入。唯一の3年部員は「明るくて良い雰囲気。大会が楽しみ」と声を弾ませる。夏場はカヌーでも活躍。今夏の総体はスプリント・カヤックシングル500メートルで5位に入賞した。24年パリ五輪を目指し、来年からはハンガリーに留学する。

転校前は通信制高校進学も考えたが「大高先生の指導も受けられるし、鷹栖町に恩返ししないと。『どこどこ卒業』と残るなら鷹栖が良い」と地元を選んだ。98、02年五輪は距離、06年五輪はバイアスロンで出場した同監督の助言で、登り坂での体重の使い方が上達。1年の山原唯は「先生も含めてにぎやかで楽しい」と充実した表情で話す。

来年1月の全道高校は人数不足で男女ともにリレーは組めないが、個人種目で全国を目指す。照井は同中出身で、おといねっぷ美術工芸に通うジュニア日本代表の栃谷和(3年)天寧(1年)姉妹を念頭に「最後なので追い越したい。最低でも全国入賞しないと(カヌーとの)二刀流にならない」と力を込める。鷹栖高クロカン部の戦いが、いよいよ始まる。【浅水友輝】

○…指導者1年目の大高監督は照井について「明るさもあるし、厳しいところは厳しい。引っ張ってくれて盛り上げてくれる」と信頼を置く。未経験者指導に多くの時間を割く必要もあり、経験豊富な3年生の入部は心強い。現役時代の用具提供や移動時の自家用車利用などスキー部のために尽力しており「課題もあるけど、ちょっとずつ形になってきた」と手応えを口にした。

◆鷹栖町とスキー 上川管内の旭川市、和寒町に隣接し、人口6822人。距離競技が盛んで、同町の「オオカミの里北野クロスカントリー大会」は来年1月で30回目の開催となる。15年全日本音威子府大会男子10キロフリー覇者の石川潤や、2月の全国高校5キロフリーを制した栃谷和、18年全国中学3キロクラシカル覇者の天寧姉妹らが同町出身。